『ウッドリンク・ラボ建設ストーリー』

皆さんこんにちは。

ウッドリンク・ラボが2013年に開設して早いもので10年が経過しました。これまで支えていただいたお客様への感謝の気持ちを込め、10周年記念イベントを開催させていただきました。当日は1日での来場数では過去最高となる45組のお客様にご来場いただき会場は大賑わいでした。

今回のブログでは、そもそもなぜラボをつくるに至ったのか、構想から開設までの経緯についてお話したいと思います。

ラボができるまでの今から十数年前はエンドユーザーにプレカット、プレウォールを訴求するべく、「工場見学会」というイベントを年に数回実施していました。当時は大手ハウスメーカーが自社工場の見学会をやり始めたころで、当社においても大手に負けずという想いで工務店さん支援の一環として行っておりました。

工場見学会の案内としては、現在のようなお客様1組に対して営業担当者1名でインタラクティブに対話をしながら接客するスタイルではなく、複数組のグループで一方通行的にバスガイド式で案内するといったスタイルです。

メインは工場見学なので、プレカット工場、パネル工場の生産工程を順にご案内し、最後に配送ターミナルの一角で破壊実験を行うといった流れです。配送ターミナルには商談コーナーとしてイベントの度にビックテントを設営し、寒い日はジェットヒーターを焚いたりしていました。

そのような体験から、「冬の寒い日や夏の暑い日でも、年中見学可能な全天候型の施設があったらいいな」、「全天候型であればお客様毎のベストなタイミングで施設を案内(クロージング)できるのでは」、「常設展示場を所有していない工務店さんにとっては間違いなく大きな武器になる」というようにウッドリンク・ラボ建設の想いが具体化していきました。

先ず、施設の箱としてはセミナーや商談ができるスペースとして研修棟、木材、省エネ、耐震についての体感コンテンツが並ぶ展示棟、耐震試験設備や実大構造モデルが設置可能な試験棟の3つの建屋で構成する設計としました。

建物と展示設備を合わせて数億円規模の投資になること、また、これまで工場設備以外でここまで大きな投資は初めてであったことから、投資に見合った効果が得られるのかといった議論を当時の経営陣で何度も行いました。

そして、展示棟の体感コンテンツを企画する上で、全国の様々なミュージアムやショールームを回り、検討を重ねました。展示パネルの説明文の一語一句から体感コンテンツのデザインまで、全て自分たちで考えました。この企画段階のプロセスは面白くもあり、大変な仕事でしたね。

建屋と展示内容が決まれば次は営業担当者の接客研修です。これまでのBtoBのルート営業しか経験のない社員がエンドユーザー相手のBtoCの営業を行うことになりますので、接客技術を習得するのにもこれまた大変な苦労がありました。

そのような準備を経て2013年9月に開設を迎えることができたのです。まさに「プレカット工場」から「構造体メーカー」への転換、「BtoB」から「BtoBtoC」というビジネスモデルに転換した瞬間です。全国にも類を見ない業界の大きなイノベーションでした。

丁度、ラボ開設の前後に東日本大震災や熊本地震といった震災が発生したことも重なり、お客様の耐震性、省エネ性への関心が高まり出したことから、これまでの工場見学会を大きく上回る数の来場をいただきました。それに伴いプレウォールの受注量もラボ開設前の2倍、3倍と伸びていきました。

また、家を建てる方にとどまらず、地域住民、企業、大学や研究機関、行政といった様々な方面からも見学に来られるようになり、ウッドリンクといえばラボという企業イメージがつくまでに至ったと思います。副次効果として社員のモチベーション向上やリクルートの効果も実感しています。

ウッドリンク・ラボには私たちの木に対する想い、家づくりに対する想いが詰まっています。まさに我が社のアイデンティティが具現化された象徴みたいなものと考えています。

最近は住宅を建てるお施主様に加え、店舗や施設といった非住宅を建てる事業主の方にも利用していただくように利用目的が拡大していっております。

開設から10年の歳月が経ちましたが、まだまだ宣伝不足もありウッドリンク・ラボの存在を知らない方を多くいらっしゃいます。これからも北陸で家を建てるならウッドリンク・ラボへ、と誰もが訪れる魅力ある施設に進化させていきたいと思います。

『自分が主役』

皆さんは会社の中で「自分が主役」だという認識はありますか?

主役は社長や部長という方も少なくないのではないかと思います。

先日ある会社に訪問した際にとても自信に満ち溢れ、いきいきと働いている社員の方がおられ、まさしく「自分が主役」という雰囲気を感じました。

また私たちは日頃からコンビニや飲食店等、様々な業者の方を目にします。残念ながらその中には「自分は雇われの身」という、やらされ感で仕事をしている方も少なくありません。

この違いは何なのでしょうか?一言でいってしまえば、ES(従業員満足)が高いか低いかということなのですが、もう少し掘り下げると、「会社から信頼され、任されているか」、あるいは「与えられたミッションが自分のやりたいことになっているか」、ということなのかと思います。

当社の企業理念は「ES(従業員満足)=CS(顧客満足)」の実現です。全従業員が一人残さずESを感じられることを目指しています。極論を言えばそのために会社は存在しています。

では、全従業員が「自分が主役」と思えるためにはどうあるべきか?

会社のメンバーにはそれぞれ役割があります。その与えられた役割について、本当に自分のやりたい仕事になっているのか、心から納得できているのか、ということを追求することが大切なのではないかと思います。

例えば、営業という大枠の役割は合致しているが、各論に入ったときに、このやり方には納得がいっていないとか、目指す目標に対して納得がいっていないといったことがあると思います。

このように納得感が低くなるのはなぜなのでしょうか?

そもそも自分の想いを伝えていないから、会社や上司から言われたらやるしかないから、といったことかと思います。つまり、仕事だから仕方ないと我慢しているのではないでしょうか。日本人には昔から我慢が美徳という価値観があります。これでは自分がやりたい事を仕事にするといった「自分が主役」という働き方にはならないと思います。このような我々の根底にある価値観から変えなければならないテーマかと思います。

これまで社員の「心理的安全性」を高めるために、上司のさん付け、定期的な1on1ミーティング、会社を離れたオフサイトミーティングといった仕組みをつくってきました。これは部下が上司に対してなんでも気兼ねなく話せる環境をつくるためのものです。

世の中には「心理的安全性」のほかにも「ジョブ型」や「リスキリング」という言葉をよく耳にするようになりました。これらは全て社員が自分らしく働くための手段であり、目的は「自分が主役」となっていきいきと働くためなのですね。

社員の皆さんには「自分らしく」、そして「自分が主役」となって働くために、どんどん上司に自分の想いを話していただき、そして納得いくまで議論していただきたいと思います。ポイントは「納得いくまで議論する」ということです。

会社は決して、社長や部長のものではありません。会社は自分のものであるという認識を持ち、そして「自分が主役」として最高の自分を思う存分、演じてほしいと思います。

そして、自分の仕事がライフワークと思えることができれば、それがその人にとっての最高の人生なのではないでしょうか。

「ライフワークとしての使命感を持とう」
               企業理念 第一章第三項

『木造住宅の合理化 ~3Dプリンター住宅からの気づき~』

皆さん、こんにちは。

先日、3Dプリンター住宅を見学する機会がありました。近年、3Dプリンター技術は革命的な進化を遂げ、建設業界においても大きな注目を浴びている技術です。

今回見学した住宅は壁面を3Dプリンター、屋根面を木造で建設されたハイブリッド構造です。

3Dプリンター住宅の利点は、以下の3つです。

1. 建設スピードが早い
2. 建設コストが安い
3. 複雑なデザイン(曲線など)に対応できる
※100%3Dプリンターで建設した住宅

このような利点を生かして、職人不足やそれに伴う住宅品質の低下、住宅価格の高騰やそれに伴う住宅不足といった社会課題を解決することが3Dプリンター住宅を開発する方々のミッションだそうです。

見学前に疑問に思っていた耐震性、断熱性、耐久性については、詳細は割愛しますが一般的な木造住宅と遜色ないレベルでした。逆に条件次第では3Dプリンターの方が上回るレベルまで技術が進んでいました。

3Dプリンター住宅の現状の課題は、2階建てには対応できないことや、コストが目標にしているレベルから見て普及が進んでいない分まだまだ高いこと、3Dプリンターを設置できる広い敷地が必要、といったところでした。

ユーザー側としての個人的な感想で言えば、率直に木造住宅の方がいいというのが正直なところです。しかし、今回見たハイブリッド構造で上手くコストダウンを図れるのであれば木造と3Dプリンターのいいとこ取りになりますので、木+RCのデザインとしても格好良いのでありだと思います。(現実的にはハイブリッド型でコストを木造以下にするのは難しいと思います)

木造部分には無垢の内装材がふんだんに使われており、近年はめっきり日本では見かけなくなった、ピーラー(米松の目細材)という樹種で仕上げてあり、職業柄ついついピーラーの美しさに見とれてしまいました。

今後、3Dプリンター住宅が普及するとすれば、災害時の仮設住宅やRC造の住宅文化が定着している国、また木材がなかなか手に入らない発展途上国などが対象になるのではいかと思います。また、今回見学した企業としては将来、火星や月面での建設を目指すという壮大なビジョンを語られていました。

日本は国土の3分の2を森林が占める森林大国であり、木材をふんだんに使える恵まれた国です。故に昔から木造住宅に慣れ親しんだ文化がありますので、なかなか3Dプリンター住宅の普及は難しいマーケットであると考えています。

木材業界の人間として、これまで3Dプリンター住宅という新しい技術を正直、脅威と感じていましたが今回の見学でその心配が和らぎ、逆に木造住宅の良さを再認識することができました。さらに3Dプリンター住宅の利点である、早い、安い、デザインが良いという3拍子をいかにして木造住宅で実現するかといった目標がより強まったことが一番の収穫でした。

当社の住宅事業エツサスも「建築プロセスの合理化」をテーマに掲げ、設計の規格化・標準化を図り、如何に高品質・高性能な住宅を安く提供するか、そして一人でも多くの方に高性能で快適な住宅に住んでもらいたいというミッションで取り組んでいます。これからも3Dプリンターに負けないように更なる木造住宅の合理化を追求して参ります。

「常に新しい価値を創造する」
            企業理念第2章

              

『仕事を面白く、人生を面白く』

皆さん、こんにちは。

先日、会社の休憩スペースでコーヒーを飲んでいたところ、社員からこのような質問を受けました。

「社長は仕事で面白いと思うときはどんなときですか?」

その時に答えたのは、目の前の仕事をどうしたら良い成果をあげられるか試行錯誤考えているときが一番面白い。何も考えずに作業のようにこなしている仕事ほど面白くないという回答をしました。

その場は立ち話でしたのでそれ以上深い話にはなりませんでしたが、その後、このような回答で良かったかなと振り返ったときに、あることに気づきました。

私は立場上、様々な種類のタスクを複数抱えていますが、それぞれのタスクには必ず納期や品質要件といった目標があり、その目標を達成するために「考える」というプロセスがあります。そして、ただ目標通り行うのではなく、少しでも良い成果をあげられるようにプラスαの付加価値を付けられないか、納期の直前まで考え抜きます。ここのプロセスが一番面白いのですね。

そしてそのタスクが完了したときには小さな達成感を感じます。そしてしばらく経ってからその行った仕事が良い結果をもたらしたときにはさらに大きな達成感を感じます。

こう考えると、仕事というのはゲームに似ていると思いました。ロールプレイングゲームやアクションゲームといったコンピューターゲームや野球やサッカーといったスポーツ競技、将棋やチェスなどのボードゲームといったイメージです。世の中には様々なゲームがありますが誰もが何か一つは夢中に取り組んだ経験があるのではないでしょうか。

ゲームも目標をクリアするために試行錯誤、考えながらやっているときが一番面白く、そしてその目標がクリアしたときには達成感が感じられます。また、次々に対戦レベルが上がるにつれて挑む前のワクワク感がありますよね。そして最終的に難関な最終ステージをクリアしたときには大きな達成感を感じられます。

そのようなプロセスを繰り返し行っているうちに段々と腕が上がり、過去を振り返ったときに自己の成長を感じられ、その時にまた満足感と充実感が沸いてくるといったイメージですね。

たとえ目標が達成できず結果的に悔しい思いをしたとしても、一生懸命に取り組んだプロセスは経験として残りますし、結果的には自己の成長は必ず得られるのですね。

これは人生という大きなスケールで考えても同じではないかと思います。自分の人生の目的・目標が明確な人ほど日々、愉しんで生きています。そして人間的に成長しています。

そう考えると、田坂先生のあの言葉が浮かんできます。

「人生において、成功は約束されていない。しかし、成長は約束されている。」

目標に向かって一生懸命取り組むプロセスが仕事・人生の面白さ、醍醐味であり、たとえ良い結果が得られなかったとしても、自己の成長を感じられ、「やってきて良かった」と自己を肯定し、一度限りの人生を肯定する。これこそが私は人生の成功者だと思います。

皆さんは一度限りの人生、どのようなゲームにしたいですか?

「仕事の面白さを発見しよう」
        企業理念第一章・第二項

『仕事を通じて己を育てる』

皆さん、こんにちは。

厳しい暑さが続いていますがくれぐれも体調管理には気を付けてください。

今年度も早いもので3分の1が経過しましたが、遅ればせながら昇格者研修(主任・係長・課長)がようやく終了しました。

昇格者研修の一番大事な本質の部分は主任から係長まで共通しています。役職者、リーダーとしてどうあるべきかという、いわゆる「心の姿勢」や「考え方」が基本テーマになります。それに加えてそれぞれの役職における具体的な役割定義を示しています。

研修が終わり、講師の立場として毎年気づくことがあります。それは、会社で定められた役職者の役割や上位概念である企業理念は変わらないのですが、それを説明する資料や話の内容が毎回変わってしまうということです。

研修の前に、事前準備として一年前の資料を見返すと、どこか物足りなさを感じてしまい、修正してしまうのですね。それに伴って話す内容も当然変わります。

昇格者研修というのは一言でいえばリーダーとしてどうあるべきか、というのがテーマなのですが、これは人それぞれ様々な考え方があり、ある意味これといった答えがないテーマなのですね。そして、講師としては自分が実践していないことは人に話せない(話しても伝わらない)ということもあります。

従って、自分自身の日々の体験の積み重ねとそれに伴う自己の成長と共にツールやトークが必然的にブラッシュアップされていきます。そう思うと、一年に一回、インプットしてきたことを整理してアウトプットするという、講師を行う上でのプロセスが受講者以上に自分が一番勉強になっているということに気づかされます。

「仕事を通じて人を育てる」 

企業理念の第一章です。私はいつもこのフレーズの解釈として、

「仕事を通じて己を育てる」 と伝えています。

人を育てるという仕事は、自分が一番成長できるという意味であり、また、人を育てる以前に自分を育てることが重要であるという意味です。そして、自分が成長する姿を見て回りのメンバーが同じように成長の道を歩もうとする、これがあるべき姿と考えています。つまり、人間は本人が成長したいと思わない限り何も始まらないということであり、そう思わない人を誰かが成長させてあげられるということは有り得ないのですね。

今回の受講者の皆さんにはリーダーとはどうあるべきか?という答えの無い問いに対して、自分自身の体験から基づく自分なりの答えを見つけていただきたいと思います。

そのためには、一日の仕事が終わった後に自分自身のマネジメントをその時々のシーンに合わせて「あの発言はまずかった」「もう少し詳細に説明すればよかった」といった追体験をして一つひとつの言動を振り返るということが重要です。そうやってリーダーとしてのあるべき姿を体得していくということですね。

この「振り返り・反省」というのはリーダーに限らず、己を育てるためのプロセスとして一番重要なことです。一日が終わった後に一人静かな時間をつくり、「深夜の反省会」をやってみてはいかがでしょうか。必ずよい気づきがあると思います。

最後に、受講者の皆さんのレポートを拝見し、現状の自分を変えようという決意や新しいことへのチェレンジ宣言など、自己成長に対するひたむきな姿勢が感じられ、私もたくさんの元気をもらえました。

これからも仕事を通じて己を育てる道を歩んで行きたいと思います。

『人的資本経営』

皆さん、こんにちは。

最近、新聞や雑誌等で「人的資本経営」という言葉をよく目にするようになりました。これは「人的資本」、すなわち従業員の知識やスキル、資格や人脈といったものや、企業組織の文化や評判といった、人に関する価値を高めることで組織全体のパフォーマンスを最大化する経営のことです。

これは当社が経営の基本方針としている「ES経営」と全く同じ考え方です。「人的資本経営」という言葉を初めて目にしたときは、「ES経営」よりも具体的で分かりやすいと感じました。また、近年、「ウェルビーイング」や「エンゲージメント」といった言葉もよく目にしますが、社会的潮流として従業員満足(ES)を重視する方向に進んでいるということは皆さんもご承知の通りと思います。

そう思うと当社が随分前から「ES経営」に取り組んできたことは間違いではなかったと思いますし、これからもまだまだ高いレベルを目指して取り組んでいきたいと考えています。

人的資本を評価するポイントとしてはいくつかあるのですが、私が一番重視したいのは「従業員エンゲージメント」です。エンゲージメントが高い人というのは自社の事業や商品・サービスに誇りを持ち、仲間に対する強い関心のもと主体的に組織に貢献します。「主体的」というところがポイントです。

逆にエンゲージメントが低い人というのは仕事のスタイルが受動型で、受け身、指示待ち、無難に仕事をこなすというイメージです。

米国の調査会社が行った最新のエンゲージメント調査では世界平均20%のところ、日本はわずか5%という結果になっています。

当社が毎年行っているES調査の満足度は2023年度で83%という結果ですが、これは「非常に満足している」と「満足している」の合計で、この内訳としては、「非常に満足している」は20%、「満足している」は63%になっています。

私の感覚では「非常に満足している」の20%がエンゲージメントの高い人というように分析しています。なので、この20%をいかに高めていくかが今後の大きな課題になってきます。

では、どうしたらエンゲージメントが高くなるのか。

先ずは、自分のやりたい仕事は何か、この会社で何を実現したいのか、もっと言えば自分の人生の目的・目標は何かといった、ありたい自分、なりたい自分を明確にすることからしか始まらないと考えています。

当社では新規事業、新規プロジェクトが近年いくつも立ち上がり、それに伴いキャリア採用を強化していますので自分のやりたい事をミッションとし、主体的に行動している方が年々増えてきています。いわゆるエンゲージメントスコアの高い方たちですね。

現在、当社のエンゲージメント率が20%(ES調査の「非常に満足している」の割合)だとしたら、これが30%、40%、50%という割合になったら、どんな組織になるのだろうか・・・、考えるだけでワクワクします。

我々経営側の課題としては従業員の皆さんがのびのびと主体的に仕事をできる環境、仕組みを整備することだと考えています。具体的な取り組みとしては、研修制度、等級制度、評価制度、賃金制度といった、いわゆる会社のトータル人事制度を再構築し、今以上に働きやすい環境を整備する予定です。来年の4月から新制度をスタートできるように打合せを進めていきます。

おかげさまで会社の成長に伴い、多様な業種、業態、価値観の方が集まり、とても面白い会社になってきました。人間は人に揉まれて成長します。それぞれが自分のやりたい事に思う存分取り組み、そして仲間と切磋琢磨し、成長し続ける、そんな素晴らしい企業文化をつくっていきたいと思います。

『非住宅推進室』

皆さん、こんにちは。

先日、道の駅福光内のレストランに「木と人」のテーブルが納材され、地方紙にも取り上げられました。記事によると地元食材を使ったメニューを提供するにあたり、内装においても富山県産の木材で空間を設えることで自然に近い優しい雰囲気をつくることが目的とのことでした。私たちとしてはこのような公共施設に自社商品が使われるということはとても励みになります。

当社では今年度より「非住宅推進室」という部署が新設されました。正確には「非住宅木造化・木質化推進室」なのですが、便宜上「木造化・木質化」を省略しております。

非住宅というのは、学校や公民館、飲食店やスーパー、診療所や介護施設、事務所や工場といった戸建て住宅以外の建物のことです。このような建物に私たちが提案したいことは具体的に以下の3つです。

1. 「構造」に木材(なるべく国産材)を利用する

2. 「内装」に木材(なるべく国産材)を利用する

3. 「家具」に木材(なるべく国産材)を利用する

これまでの建築の常識としては「住宅は木造」、「非住宅は非木造」とういうものでした。非住宅の建物は大規模なものが多いということもあり、構造の材料は鉄骨か鉄筋コンクリートが使われてきました。そんな中、脱炭素社会の実現に向けた国策として「木材利用促進法」が施行され、非住宅についても木造化を積極的に推奨するという流れになってきたのですね。

現在、国内の建物全体の木造率(延床面積ベース)は2020年度で43.5%、公共建築物に限れば13.9%というのが現状です。高層ビルや大規模アリーナのような建物は難しいにしても低層で中規模の建物であれば木造の技術も向上していますので十分に実現可能です。

公共建築においては低層の建物は木造設計を基本とするよう、政府からお達しが出ていますし、民間においても大手外食チェーン某社が農林水産省と木材利用促進協定を締結し、これからの新規店舗に国産材の活用を推進していくことを発表するなど、我々木材業界において非住宅が今後の有望市場であることは間違いありません。

当社としても、非住宅の新築物件には木造化を提案、リニューアル物件や高層ビル等の非木造物件には内装や家具の木質化を提案していくことで、今後、住宅着工数が減少していく中でも木材が安定的に利用される仕組みをつくることがミッションであると考えています。

これまで当社が得意としてきた「住宅構造」から「非住宅構造」に一段レベルアップすることで、これまでの知識やスキルをより一層アップグレードしていかなければなりません。

非住宅というのは一般住宅にはない特殊な構造を木材でどのように具現化するかとういことを様々な部材や工法を駆使して提案することになります。また木材の手配だけに留まらず、設計士や大工職人、工事業者の手配など、あらゆる機能をコーディネートしなければいけませんので仕事の難易度は高くなります。

「非住宅推進室」は専任担当1名からのスタートですが、今後は当社事業ポートフォリオの5本目の柱として育てていきたいと考えております。


■非住宅木造事例:ウッドリンク富山店 2020年10月竣工

『傍を楽に』

皆さん、こんにちは。

新年度に入り7名の新入社員が仲間入りし、総勢288名の新体制で1年のスタートを切りました。新入社員の皆さんには企業理念研修で「働く」ことの意味について伝えましたが、今回のブログではもう少し具体的な事例も交えて「働く」について深掘りしたいと思います。

先ず、「働く」という言葉の意味としては「傍」を「楽」にするという、欧米の労働観にはない日本独自の素晴らしい価値観があります。お金を稼ぐためといった一般的な目的だけではなく、自分以外の誰かの役に立つため、といった深い思想があります。

これは決して自分だけが犠牲になって人の役に立つといったネガティブなものではなく、自分が幸せになるために人の役に立つ、といった極めてポジティブな考え方です。

では、「傍」である自分以外の誰かとは、仕事上、誰にあたるのかというと、お客様は勿論、上司や部下、業者の方々という普段一緒に仕事をしている全ての方たちが対象になります。そして、役に立つということは、相手の利益になること、つまり、嬉しいことや喜ばれることを行うということになります。

ここまでが企業理念研修でお話ししたことです。おそらく新入社員の皆さんは仕事もまだ覚えていない状態で今すぐ傍を楽にできることとしては何があるのか?と考えられたのではないかと思います。

傍を楽にさせるということをもう少し具体的に言うと「相手の心」を楽にしてあげるという所がポイントになります。

例えば、上司というのは親心として、新入社員の皆さんには社会人として立派に成長してほしいという願いがあり、「理解できているかな?」「辛いことはないかな?」といったことを常に心配しています。つまり心が楽になっていないのです。

ここで言う、相手の心配を払拭してあげられるスキルが「報告・連絡・相談」(以下、「報連相」)です。これは新入社員からベテラン社員まで全ての仕事人に必要な基本スキルであり、仕事で起こる多くのミスやトラブルは「報連相」ができていないために発生します。ですから仕事のスキルの中で最も重要なスキルといっても過言ではありません。

こまめに「報連相」ができている方というのは廻りの方を安心させます。私もたくさんの部下の方たちがいますが、「報連相」をされればされるほど安心します。「報連相」が多すぎて鬱陶しくて嫌になるということはありません。

また、「報連相」が少ない方には、「大丈夫かな?」「問題は無いのかな?」と逆に心配になります。つまり、心が楽にならないのですね。

仕事の基本はコミュニケーションであり、コミュニケーションの本質は相手の心を楽にしてあげること、このようなことができる方、上手な方というのが、いわゆる仕事のできる方となるのですね。(報連相について詳しく述べた過去ブログ「仕事の基礎力」http://woodlink.sakura.ne.jp/message/2022/09/ 興味のある方はご覧ください)

これからは多くの仕事がAIやロボットによって代替されていきます。コミュニケーションで相手の心を感じ取り、思いやりのある行動をとれるのは人間だけであり、これからの時代において、益々私たちに求められる必須スキルになります。

「傍を楽に(働く)」とは「相手の心を楽に」することであり、そのような行動は最終的には必ず自分に返ってきます。なので、あくまでも自分のため、というポジティブな考え方なのです。自分が幸せになりたいのであれば他人を幸せにすることである、これがよく言われる人生の逆説ですね。

自分の仕事は廻りの方たちの心を楽にできているだろうか?今一度、振り返っていただければと思います。

『デジタル社会への対応』

こんにちは、春ですね!季節が変わると、気分も新たになりますね。

春は自然が目覚める季節です。桜の花が咲き、新緑が生い茂り、鳥たちがさえずり始めます。そんな美しい季節を迎えるために、私たちも心機一転、新しいことに挑戦したくなります。例えば、新しい趣味を始めることや、自分自身を磨くための勉強を始めることも、春にはぴったりです。

また、春は出会いの季節でもあります。新しい人との出会いや、友人や家族との時間を大切にすることも、春の楽しみ方の一つです。この春を存分に楽しみましょう!

さて、少々長めのイントロになりましたが、実はこれ、今、話題のオープンAI 「チャットGPT」で作成した文章です。「春のブログ」と打ち込むだけでこのような作文をつくってくれました。(一部、割愛しました)私たちはこれまで調べたい事や気になる事をググって(グーグル検索)いましたが、こちらの方が答えにたどり着くスピードが断然早く、ものすごく便利です。海外の学校では子供の思考力に悪影響を及ぼすとして使用を禁止にする例が続出しているそうですね。

そのような目まぐるしく発展するデジタル社会に対応するべく、新年度よりDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するプロジェクトチームを発足します。これまでもDXの取り組みは各部署でそれぞれ行っていましたが、なかなかスピード感をもって取り組めずにいました。

よりDXをスピーディーに効率よく推進するために専任担当者を選抜し、トップ直轄のチームとして推進することにしました。メンバーは会社のこれからの10年を担う中堅リーダー5名です。

DXの目的は以前のブログでも触れましたが、企業理念である「社員満足度(ES)の向上」です。デジタル技術を活用することでトレース作業や確認作業といった、付加価値の低い仕事を効率化、自動化することで、付加価値の高い仕事のウエイトを大きくする、つまり、やり甲斐のある仕事に集中的に取り組めることがDXの最大のメリットです。

DX推進室のミッションとしてはDXだけにとどまらず、近いうちにやってくる「Web3.0」や「メタバース」といった仮想空間でのビジネスモデルの検討も行っていきます。

ここまではデジタル社会の潮流に乗っかった順張りの話しで、次に逆張りの話しをしたいと思います。

昨今、スマホやSNSが当たり前になり、デジタル情報に日々晒されている中で、人間の心に訴える情緒的価値を再認識できるプロダクトをリリースしようと計画しています。

それは、当社のスギ幅はぎフリー板「木と人」を原材料としたプロダクトです。以前、ものづくりワークショップで取り上げた際にお客様からの反響が大変良く、クラウドファンディングの「Makuake(マクアケ)」でも出品してみようという話しになりました。

プロダクトは「黒板(商品名:カクカク)」と「黒板消し(商品名:フクフク)」です。

コンセプトは「チョークで書いた手書きのメッセージと木のぬくもりが家族の心を癒す」です。

今回の企画は国産木材ブランド「木と人」のコンセプトである「すべての人へ、木とともに暮らす歓びと安らぎを」という想いを誰でも気軽に購入できる雑貨としてお届けしたいというところから始まりました。

6月頃の発売を予定していますので、家族の掲示板として、木のオブジェとして、スマホを始めデジタル機器に囲まれた生活の中に、少し自然の色合いを取り入れてみては如何でしょうか?

デジタル社会への対応として、順張りのDX推進と逆張りの黒板&黒板消しという、相反するプロジェクトが同時進行しているのが面白いなぁと感じた今日この頃でした。

デジタル化で効率化を重視しすぎてコミュニケーション不全にならないよう、しっかりとバランスを取っていきたいと思います。

『自分が本当にやりたいこと』

皆さん、こんにちは。

今年も毎年恒例のES調査(社員満足度調査)を実施しました。結果は総合評価の満足度割合が昨年よりも5ポイント増加し、80%を超えることができました。まだまだ課題は多くありますが、とりあえずホッとしております。

さて、今回は目標設定の考え方についてお話ししたいと思います。

当社では毎年、中堅社員を対象にした「フォロワー研修」と称する研修を行っています。受講者は3年後、5年後の自分が目指す将来像を描き、その目指す姿からバックキャスト思考で現在のあるべき目標を設定します。そして目標設定から6か月間、上司のサポートを受けながらPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回すといった内容の研修です。

この研修で一番重要なポイントは、自分の将来像を描き、どのような目標に取り組むかといった最初の段階です。このマイルストーンを間違うと将来のキャリアアップに遅れを来してしまいます。

目標設定の考え方としては、以下の3つの要素を押さえることが基本となります。

1. Will:自分がやりたいこと(意思)
2. Can:自分ができること(能力)
3. Must:自分がやるべきこと(役割)

この3つの要素が重なった目標が自分のあるべき姿であり、やりがい・働きがいをより感じられる仕事になるのです。

今回、受講者の一人が最初に設定した目標を途中で大きく方向転換されるといった事例がありました。なぜ目標を変えたのかというと、日々取り組んでいく中で、どうも自分の気持ちがしっくり来なかったというのです。

しっくり来なかった原因というのは、自分が決めた目標が「Will:自分がやりたいこと(意思)」になっていなかったのですね。

そこで本人は、自分はこの会社でいったい何がやりたいのかと、何度も自問自答し、上司にも相談しながら、ようやく自分のやりたいことに辿り着くことができたのです。そして新たな目標を見つけてからは水を得た魚のように、いきいきと前向きに仕事に取り組めるようになったのです。

アップルの創業者スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学でのスピーチでこのような言葉を残しています。

「もし今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしたことを本当にやりたいだろうか、と30年間毎日、鏡に向かって語り続けた」

自分が本当にやりたいことが見つかれば、仕事は面白く、やりがいが感じられ、毎日が愉しく充実したものになります。そして目標に対して注がれるパワーが全く違ってきます。勿論、そのようなフルパワーで取り組むことができれば結果も全く違ったものになりますよね。

一回限りの人生、悔いのない人生を自分らしく生きるために、自分が本当にやりたいことに取り組んでほしいと思います。


        理想の目標