月別アーカイブ: 2017年2月

『人と木の関係』

こんにちは。

3月も目前というのにまだまだ余寒きびしい日が続いています。
体調管理には十分お気をつけ下さい。

ウッドリンクラボ (2)

さて、この度ウッドリンクラボの森と木のゾーンに「木質空間」が誕生しました。

ラボがオープンして早くも3年半が経ち、延べ2,000組以上のお客様に
ご来場いただきました。

これまで展示スペースは、細かい改善改良は適宜行ってきたのですが、
刷新するぐらいの大きな変化はありませんでした。

ご見学後のお客様アンケートでは、ほとんどの方がこれからの家づくりに参考になったと、
満足されていることが確認は取れているのですが、一方でアテンド側である、
工務店の担当者様や当社のスタッフにマンネリの感が否めないのが課題でした。

ウッドリンクラボ (13)

そこでお客様の満足が、これまで以上に高まる、新たな体感コンテンツをつくり、
私たち自身のモチベーションを今一度高めようという想いで「木質空間」の開発に着手しました。

今まで、木の持つ様々な効能を、木の「カットサンプル」を使って、触ったり、匂いを嗅いだり、
住まいに木を使うメリットを体感していただいていたものを、実際の住まいの「空間」の中で、
体験体感いただこうというコンセプトです。

木を内装に使用するということは当然センス良くデザインすることが大事な要素であり、
そのようなデザイン事例としても参考にしていただきたいと考えました。

また、新築計画の方のみならず、リフォーム、店舗、公共施設などの参考にも活用
いただけるものと考えており、さらにお客様の裾野を広げていきたいと思います。

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空間の広さは16畳で、リビング・ダイニングを想定しています。

実際の暮らしをイメージしてソファーやダイニングチェアに座ってもらうと、
ほんのりと木の香りが漂い、爽やかな森林浴気分が味わえます。

使用している木質建材はウッドリンクのオリジナル商品です。

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床材は「ヒノキ」です。

産地は岐阜県の東濃になります。東濃ヒノキは様々な産地の中でもトップブランドであり、
品質的には最上級。ヒノキ特有の、ほのかなピンク色がとてもきれいです。

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天井板、ルーバー、棚板・カウンターは「スギ」です。

産地は地元北陸と岐阜になります。北陸や岐阜のスギは寒冷地でゆっくり
育っているため、年輪の細かさが特徴で、見た目に繊細な印象を与えます。

では、この空間で得られるユーザーメリットは何なのか。

木のもつ魅力、メリットは沢山あるのですが、私が自宅で日々実感しているメリットを
3点ご紹介したいと思います。

1.触覚的な効果

家の中で一番多く体に触れるのはリビング・ダイニングのフローリングです。
そのフローリングの足触りがとても気持ち良いのです。

寒い冬の季節、床暖房がなくても裸足で快適に生活できます。
寝転がっても全然冷たく感じません。
また、湿気の多い日も調湿機能が働き、足触りがベタつくということが無く、サラサラしています。

2.視覚的な効果

2つ目は見た目に癒され、さらに目に優しいということです。

木目には癒しの効果である「1/f揺らぎ」があり、木目をじっと見ているだけで自然界にいるよう
な感覚になり、心が休まります。

また、スギやヒノキのフローリングは照明や太陽光の反射を抑え、空間全体が落ち着いた
柔らかい明るさとなり、目が疲れないという効果があります。

事務所や学校など文字の読み書きをする環境では、蛍光色の明るい空間が良いですが、
住まいはそれとは逆で、明るすぎない空間のほうが落ち着くのです。

3.嗅覚的な効果

家の中で時間的に一番長く居るのは寝室です。よって、寝室には一番多く木を使っており、
床と天井にスギを使用しています。極端に使い過ぎるのもあまり良くなく、適量としては空間の
表面積に対する木質化率が50%程度という研究結果が出ています。

寝室でのメリットは「快眠効果」です。空気質が高く、森林浴のような気分で眠りにつけます。

スギは空気中の二酸化窒素やホルムアルデヒドといった有害物質を吸収し、空気を浄化
する効果と、香りに含まれるセドロールという成分が森林浴のような癒しの効果をもたらします。

おかげで毎日、家族全員、ばっちり快眠できています。
週末の睡眠時間がアパートの時よりも明らかに長くなっているのが分かります。

このような効果が私が日々実感している木質空間のメリットです。

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メリットを一言でまとめると「家に帰ると心身ともに休まる」ということですね。

私は住まいの本質とは、心身ともに疲れた体を休めるための「巣」のような場所だと考えています。
また、「人」の隣に「木」と書いて「休む」と読み、まさにそれが人と木の関係ではないかと思います。

スギは学名で「Cryptomeria Japonica」といい、隠れた日本の財産を意味します。

先人の手によって戦後植林されたスギの木が、今、伐採適齢期を迎えています。

今まさに、日本の価値ある資産を活かす時なのです。

ウッドリンクの役割としては今まで培ったきた加工技術を駆使し、付加価値の高い建材をつくること。
そしてその利益を山側へ還元することで未来の子供たちのために、苗を植え育てることができる。

伐って、使って、植えて、育てる。

この循環が、サステナブル(持続可能)な社会を形成するのです。

これからもウッドリンクは人と木の新しい関係を提案し続けていきます。

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