『挨拶の力』

皆さん、こんにちは。

先日の富山マラソンですが、当社から9名もの仲間が出場しました。
マラソンには様々な魅力があり、私もやってみようかな・・と思うのですが、
思うだけで終わっているのが現状です。

さて、今回はある企業での体験談をお話ししたいと思います。

その企業とは四国にある建具メーカーさんで社員約200名、年商約60億、
規模的にはウッドリンクと同じぐらいの製造業の会社です。

見学した工場にはラインオペレーター100名ほど働いていらっしゃるのですが、
なんと、社員の方ほぼ全員が帽子を脱いで爽やかな笑顔で挨拶をされるのです。

これまで私の見てきた企業というのは、全体の2割ぐらいがしっかり相手に
伝わる挨拶ができ、6割がしているのかしていないのかよく分からない、
いわゆる伝わらない挨拶、残り2割が全く挨拶をされない、というような割合でしょうか。
企業視察先に選ばれる、いわゆる優秀な企業であっても
大企業も含めてこのようなレベルがほとんどでした。

私は正直そのような先入観を持って見学をしていましたので
中には挨拶をしない社員もいらっしゃるのだろうと思っていたのですが、
見事に最後まで私の視界に入る社員の方全員が完璧な挨拶をされたのです。

そして、作業中も活き活きとした表情で一つ一つの作業をテキパキと
手際よくされており、ついつい見いってしまう感じです。

見せる清掃で有名なJR東日本TESSEI(テッセイ)の新幹線劇場「7分間の奇跡」
を思わせる、まさに「製造業のTESSEI」かと思いました。


興味のある方は「7分間の奇跡」Youtube動画をご覧ください。

これまでたくさんの工場見学をしてきましたが、企業イメージの良さでは
ダントツNo,1のレベルでした。もちろん挨拶だけではなく、工場の整理・整頓も
しっかりされていて、ものすごく良い印象を受けました。

そこで直感的に感じたのは、「品質の良い製品を造ってそう。」
「どうせ買うならこの人たちが造った製品を買いたい。」

この企業に訪れたお客様は間違いなくそのように感じられると思います。

経営陣、営業の方をはじめ、工場の方も含めた社員全員でおもてなしをする
会社の姿勢に感動しました。その姿勢が製品をつくる際にも心が込められ、
自然と丁寧な仕事となり、高品質の製品ができるのだと思います。

社長にこれまでの経緯をお聞きすると以前は全く5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
の出来ない会社だったとのことです。

先ずは社長はじめ経営陣が毎日「伝わる挨拶」を率先垂範し
数年かけて徐々にレベルが上がってきたとのことです。

当社も挨拶には多少の自負はあったのですが改めて足元を見つめ直す
大変良い機会になりました。井の中の蛙にならないように、
常に外の世界をみることが大切ですね。

早速、模範動画を作成し全社朝礼でこの事例を水平展開しました。

20181030

現在、当社の直近の課題といえば「コミュニケーション力の向上」です。
特にリーダー層の「伝える力」、「聴く力」をまだまだ磨かなければいけません。

部下一人ひとりの経験値やスキル、性格、価値観に合わせて、
適切な言葉を選び、理解・納得してもらえるまで根気よく話をしなければいけません。
10人いれば10通りの伝え方、聴き方がありますし、一回伝えて終わり
ではなく何度も繰り返し伝えることも必要です。

そのような営みにはそれ相応の精神のスタミナを要します。
ということはそのスタミナを惜しみなく他人へ捧げられるだけの覚悟、
つまり、仕事に対する使命感と部下に対する愛情がないとできないのです。

ビジネスの基本はコミュニケーションです。
そしてコミュニケーションの基本は挨拶です。

「おはようございます」の一言だけかもしれませんが、
その一言に様々な気持ちを込めれば、目から伝わるものが必ずあります。

言葉で伝わるのは2割、残りの8割は言葉以外で伝わるとも言われています。
つまり、心から信じていることは多くを語らずとも伝わりますし、
信じていないことはいくら言葉巧みに伝えても伝わらないのですね。

先ずはトップ自ら率先垂範し、この建具メーカーさんのような素晴らしい
おもてなしができる会社を目指したいと思います。

そして、組織のコミュニケーションレベルを高め、
経営と現場が円滑に情報が循環される会社にしたいと思います。
それが中堅企業へブレイクスルーする大きなキーポイントになると思っています。

「対話を重ねて感動を共有する」
             企業理念・第三章