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『引き受け』

皆さん、こんにちは。

新型肺炎のニュースが連日報道されていますが、日に日に他人事から自分事へと意識が変わってきているのではないでしょうか。本当に一日も早い終息を祈っております。

さて、当社もいよいよ年度末が近づき今年度の業績も固まりつつあります。毎年、3月末時点での事業活動の結果が「決算書」という形で細かく数字で示されます。

これはどの会社にも共通している極めてオフィシャルな会社(=私)の成績表ではあるのですが、実はもう一つ、当社独自の重要な経営指標があります。

それは「ES調査」、社員の満足度調査です。

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毎年この時期に実施をしており、私にとっては決算書以上に重要な成績表です。

ES調査の結果を見る時には相当な心の準備が必要になりますし、そして結果を見た後は正直、憂うつな状態がしばらく続きます。これは決算書では決して起きないことです。

そのような憂うつな状態から抜け出すときに、自分に言い聞かせる言葉があります。

「引き受け」

憂うつな状態になる主な原因は「他責」です。自分の思い通りにならないことをいくら嘆いてみても何も解決しませんし、自分が辛くなるだけです。

ES調査に書いてあることは社員それぞれの「真実」であり、その全てを「自責」で引き受けることで、心に重くのしかかっていたものが不思議なほど軽くなっていきます。

そして、前向きに解決策を考える自分が現れるのです。

尊敬する田坂先生の言葉に、

「人生で起こること、全て自分に原因がある」

こう思うことは一見とても辛いように思える言葉ですが、実は逆で、前向きな考え方に転換する心の技法なのですね。

「過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる」

この言葉もまた真実で、何かを変えたいのであれば自分ができることをやるしかない、その方法論を前向きに考えるための心の姿勢が「引き受け」なんだと思います。

そのように私も心の姿勢を整えES調査報告書のページを開いたわけですが、結果から先にお話ししますと、昨年からみて満足度が少し向上し、不満足度が少し減少したという感じです。

まさに「ローマは一日にして成らず」ですね。

今年度を振り返れば、経営と現場をつなぐ、マネジャー、リーダーが経営側、現場側の両方に対し、きめの細かいコミュニケーションを行えるようになってきたことが一番大きな成果かと思います。

それでも我々が目指すありたい姿から見れば、まだまだ課題は多いのが現状で、決して220名の社員の隅々まで、相互理解が行き届いているとは思えません。

会社というのは、それぞれ性格や価値観の違う人が集まった組織集団ですから、一朝一夕に全員が相互理解とは行きません。

社員一人ひとりが、あの人はこういう人だから・・と割り切らずに、どうしたら良い関係を築けるかを考え、粘り強く対話を重ねるしかないのだと思っています。

どんなに苦手な相手であっても全てを引き受けることができる、心の強い社員が育っていくことを願っています。

組織の先頭を走る自分自身も肝に銘じてこれからも歩みを続けたいと思います。

「対話を重ねて感動を共有する」
            企業理念 第3章