『おもくるしさを楽しむ』

皆さん、新年おめでとうございます。

今年は雪も少なく平穏な仕事始めとなりました。当社は朝から新年度の方針発表を行い、その後、部署ごとにグループディスカッションを行い、午後から業務を開始しました。

さて、皆さんは今年はどんな一年になると思いますか?

一昨年はコロナショック、昨年はウッドショック、今年は何ショックが起こるのでしょうか。誤解を恐れずに言えば、私はどんなショックが起こるのかとても楽しみです。

大きな社会変化というのはこれまで潜在的にあった課題が顕在化し、一気に加速するということをこの2年間で実感しました。

一昨年のコロナショックで一番変化が加速したのはデジタルシフトですね。建築業界もインターネットを活用した業務への移行が進み、これまで多くの手間暇をかけていた家づくりのあり方を見直す機会となりました。

そんな中、当社で新たに生まれた事業が高性能型規格住宅「エツサス」のボランタリーチェーン事業です。

Webでのプロモーションや設計の規格化によるオペレーションの合理化が見込める、これからのデジタル社会に合った家づくりのあり方となります。これはまさにコロナショックからの賜物でした。

また、昨年のウッドショックで変化が加速したのは外材から国産材へのシフトですね。如何に国内での地産地消、安定したサプライチェーンが大切かということに業界全体が気づき、更にこれまでデフレ状態であった木材価格が適正な価格に見直されたということです。

現状の価格帯が維持できれば木材業界の川上である林業も持続可能となり、未来に向けた森林の循環が確立されます。まさしくサスティナブル(持続可能)な社会の実現につながります。

また、このような大きな社会変化があると仲間との連帯感、一体感が生まれ、チームワークが高まったのも大きな収穫でした。一人ひとりの仕事に向き合う意識が高まり、それぞれが抱える課題に対する取り組みも加速しました。

振返れば苦労や困難も多くありましたが、そのお陰で会社としては大きく成長できた大変良い機会となりました。それも一緒に頑張ってもらえる仲間の存在があったからこその結果であり、改めて自分は人に恵まれていると感じております。

従って、今年もどんな危機、ショックが起こったとしても、ピンチをチャンスに変えていけるという自信がありますし、ある意味で楽しみであるということなのです。

心理学者の河合隼雄氏が「仕事はおもくるしいもの」という言葉を残されています。

仕事の「面白さ」と「苦しさ」は表裏一体であるという意味です。面白いけど苦しい、苦しいけど面白い、面白さが大きいほど苦しさも大きい、苦しさが大きいほど面白さも大きいということですね。

遊びの世界は只々面白いものですが、仕事の世界というのは責任やリスクという苦しさや難しさがある分、やりきった時の達成感や面白さがさらに増幅するのだと思います。

今年も「おもくるしさ」を楽しみながら、より一層、お客様、社会のお役に立てるよう、社員一同、邁進して参ります。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。