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『仕事の基礎力』

皆さん、こんにちは。

近頃だんだんと秋の気配を感じるようになってきましたね。先日、友人にとれたての新米を頂戴し、改めてお米の美味しさに感動している次第です。調子に乗って食べ過ぎない様に気をつけたいと思います。

さて、前回のブログ(人財育成論)ではリーダーは常にチームの現状把握を正しく行うためにメンバーからの「報告・連絡・相談」、いわゆる報連相(ほうれんそう)をこまめに求めることが大切であるというお話しをしました。

今回はその「報連相(ほうれんそう)」について深掘りしたいと思います。

先ずは社員にとっての「報連相」は仕事において「責務」であるという大前提があります。業務上、起こった事象や結果、それに至ったプロセスについて報告を行うということは給料をもらう代わりの領収書を会社に提出するのと同じ意味を持ちます。つまり労使の関係上、必ず行うべきことなのです。

従って、報告を怠るということは給料をもらう権利がなくなってしまうとも捉えることができます。それほど社会人としては極めて当たり前な事なのですね。

では、「報連相」のもつ意味を紐解いてみたいと思います。

先ずは「報告」ですが、手段として代表的なのは日報です。日報の中で会社側が知りたい情報はどちらかと言えば良い話しではなく悪い話しというところがポイントです。

例えば、仕事で失敗してお客様にご迷惑をお掛けしたこと、製品を無駄にしたこと、想定以上に時間が掛かったことなど、業務上、上手くいかなかったことを報告してほしいのです。

どうしてかと言えば、失敗したというのは本人の能力もさることながら、会社の仕組みに問題がある場合が多いからです。その仕組みの問題点がわかれば会社として対策を講じることができ、同じ失敗を無くすことができるのです。

次に「連絡」ですが、手段としてはメールやチャットがあります。これは誰がその情報を知っておくべきかということを考え、適切な連絡先を判断するというところがポイントです。

適切な連絡先の判断がつかない場合はとりあえず部門長をメールであればCC(カーボン・コピー)、チャットであればグループへ招待しておけば間違いありません。部門長までその情報が届けば、部門長が更にその情報を誰に連絡するべきかを判断してくれるからです。

次に「相談」ですが、これも業務上の相談であれば日報を活用することをお勧めしますし、人間関係やプライベートに関わることであれば面談を申し入れするのが一般的です。

仕事の経験年数が少ない人ほど困ったときや迷ったときに考えられる選択肢が少ないのは当然ですので、経験年数の多い上司・リーダーに相談することで自分の発想の範囲を超えた選択肢を得ることができるのです。

仕事ができる人ほど良く質問や相談をします。私が若い頃「聞き魔になれ」ということを上司からよく言われていました。とにかく分からないことを相手が嫌がるくらいに聞きまくるということです。それがテキストやマニュアルでは学べない先輩方の生きたノウハウを多く知ることができ、結果的に良い成果をあげることができるのですね。

お分かりの通り、報告・連絡・相談というのは、どれをとっても本人が自分で十分に考えて行動するという主体性がないと成り立ちません。また、ただ起こった事象だけを伝えるのではなく自分はどう思ったのか、どうしたいのかという自らの考えを伝えるということが重要です。

「報連相」の目的の本質というのは自分と会社との仕事における価値観・考え方の擦り合わせを行うことなのです。自分の思いや考えを伝え、それに対してフィードバックをもらうことを繰り返すことで正しい価値観・考え方が身についてくるのですね。そうなれば、いちいち上司にお伺いを立てなくても自分で様々な意思決定ができるようになります。

報連相と聞くと簡単なことと思うかもしれませんが、本質的な部分をしっかりと押さえて出来ている方は以外と少ないのが現状です。

「報連相」は仕事の基礎力になる大切な要素です。仕事もスポーツも同じですが難易度が上がれば上がるほど基礎力が重要になってきますよね。基礎力が低い方はある一定のレベルで伸びなくなりますし、歳をとってから我流で築いた悪い癖を直すのは大変です。(余談ですが私も20年我流でやってきたゴルフの癖が直らず苦労しています)

ですから、なるべく若いうちに仕事の基礎力である「報連相」をしっかりと体得し、正しい仕事ができるビジネスパーソンを目指してほしいと思います。基礎力のある方というのは仕事に安定感が生まれ、致命的なミスをすることはほとんどありません。

今回は「報連相」の意味や基本的な考え方をお話ししましたがもう少し詳細なハウツーについてはネット検索でも沢山の情報が出ておりますのでさらに興味のある方は調べてみて下さい。

今一度、自分は仕事の基礎力は身についているだろうか?自己チェックをしてみてください。