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『未来へのバトン』

皆さん、新年おめでとうございます。

先日、富山大学の授業「富山ものづくり概論」の外部講師として木材加工業の現状と今後のビジョンについて講義をしてきました。これは富山のものづくりをテーマにした連続講義で医薬品や食料品、繊維や金属、機械や電子といった様々な分野のものづくりについて、企業のゲストスピーカーが業界の現状や自社の取り組み事例をお話しするという主旨のものです。

初めてのことで少々緊張しましたが学生さんの真剣に学ばれる姿勢に支えられ、こちらも熱く想いを語ることが出来ましたし、学生さんからのいくつかの質問の中からこちらも改めて気づくこともあり大変勉強になりました。

また、講義終了後、学生さんのレポートも拝見させていただきましたが、講義を受ける前の業界のイメージとしては「木を切る事は環境に良くないと思っていた」「木造住宅は良くないと思っていた」という意見が多くあったことにも驚きました。

今回の講義ではサステナブルな社会を実現するための木造住宅業界の課題として、「森林の循環」、「国産材自給率の回復」、「住宅の長寿命化・ゼロエネルギー化」、「林業従事者及び大工職人不足の解消」などをお話しし、その中での当社の取り組み事例を紹介しました。

そして最後には今後の目指すビジョンとして、日本の杉を海外へ輸出し、世界有数の森林資源大国として世界の木材需要に貢献したいという話しで締めくくりました。このような大きなレベルの話しは具体的に会社方針にもなっていませんし、まだ個人的な想いでもありますので社員の皆さんにもあまり語っておりません。
 
今回、業界全体のよりマクロな視点で考える機会となり、改めて川上から川下までの各企業の連携が大切であると感じました。そして、密かに抱いていた自身の「志」を若い人たちに伝えることで、より実現したいという想いに昇華した気がします。

多摩大学の田坂先生は「志」という言葉をこのように定義付けています。

「志とは、己一代では成し遂げられないほどの素晴らしい何かを次の世代に託する祈り」

私たちの時代にどれだけの木材輸出ができるかは分かりませんが、次の世代に未来へのバトンを託し、将来日本の杉が世界の国々に届く日がくることを思い描いています。

そのためには持続性のある森林循環を確立すること、そして世界で通用するだけの「付加価値」を創造することが私たち世代の役割であると考えています。

今年も従業員一同、パーパスの実現に向けて邁進して参ります。

本年も宜しくお願い申し上げます。