『傍を楽に』

皆さん、こんにちは。

新年度に入り7名の新入社員が仲間入りし、総勢288名の新体制で1年のスタートを切りました。新入社員の皆さんには企業理念研修で「働く」ことの意味について伝えましたが、今回のブログではもう少し具体的な事例も交えて「働く」について深掘りしたいと思います。

先ず、「働く」という言葉の意味としては「傍」を「楽」にするという、欧米の労働観にはない日本独自の素晴らしい価値観があります。お金を稼ぐためといった一般的な目的だけではなく、自分以外の誰かの役に立つため、といった深い思想があります。

これは決して自分だけが犠牲になって人の役に立つといったネガティブなものではなく、自分が幸せになるために人の役に立つ、といった極めてポジティブな考え方です。

では、「傍」である自分以外の誰かとは、仕事上、誰にあたるのかというと、お客様は勿論、上司や部下、業者の方々という普段一緒に仕事をしている全ての方たちが対象になります。そして、役に立つということは、相手の利益になること、つまり、嬉しいことや喜ばれることを行うということになります。

ここまでが企業理念研修でお話ししたことです。おそらく新入社員の皆さんは仕事もまだ覚えていない状態で今すぐ傍を楽にできることとしては何があるのか?と考えられたのではないかと思います。

傍を楽にさせるということをもう少し具体的に言うと「相手の心」を楽にしてあげるという所がポイントになります。

例えば、上司というのは親心として、新入社員の皆さんには社会人として立派に成長してほしいという願いがあり、「理解できているかな?」「辛いことはないかな?」といったことを常に心配しています。つまり心が楽になっていないのです。

ここで言う、相手の心配を払拭してあげられるスキルが「報告・連絡・相談」(以下、「報連相」)です。これは新入社員からベテラン社員まで全ての仕事人に必要な基本スキルであり、仕事で起こる多くのミスやトラブルは「報連相」ができていないために発生します。ですから仕事のスキルの中で最も重要なスキルといっても過言ではありません。

こまめに「報連相」ができている方というのは廻りの方を安心させます。私もたくさんの部下の方たちがいますが、「報連相」をされればされるほど安心します。「報連相」が多すぎて鬱陶しくて嫌になるということはありません。

また、「報連相」が少ない方には、「大丈夫かな?」「問題は無いのかな?」と逆に心配になります。つまり、心が楽にならないのですね。

仕事の基本はコミュニケーションであり、コミュニケーションの本質は相手の心を楽にしてあげること、このようなことができる方、上手な方というのが、いわゆる仕事のできる方となるのですね。(報連相について詳しく述べた過去ブログ「仕事の基礎力」http://www.woodlink.co.jp/message/2022/09/ 興味のある方はご覧ください)

これからは多くの仕事がAIやロボットによって代替されていきます。コミュニケーションで相手の心を感じ取り、思いやりのある行動をとれるのは人間だけであり、これからの時代において、益々私たちに求められる必須スキルになります。

「傍を楽に(働く)」とは「相手の心を楽に」することであり、そのような行動は最終的には必ず自分に返ってきます。なので、あくまでも自分のため、というポジティブな考え方なのです。自分が幸せになりたいのであれば他人を幸せにすることである、これがよく言われる人生の逆説ですね。

自分の仕事は廻りの方たちの心を楽にできているだろうか?今一度、振り返っていただければと思います。