『非住宅推進室』

皆さん、こんにちは。

先日、道の駅福光内のレストランに「木と人」のテーブルが納材され、地方紙にも取り上げられました。記事によると地元食材を使ったメニューを提供するにあたり、内装においても富山県産の木材で空間を設えることで自然に近い優しい雰囲気をつくることが目的とのことでした。私たちとしてはこのような公共施設に自社商品が使われるということはとても励みになります。

当社では今年度より「非住宅推進室」という部署が新設されました。正確には「非住宅木造化・木質化推進室」なのですが、便宜上「木造化・木質化」を省略しております。

非住宅というのは、学校や公民館、飲食店やスーパー、診療所や介護施設、事務所や工場といった戸建て住宅以外の建物のことです。このような建物に私たちが提案したいことは具体的に以下の3つです。

1. 「構造」に木材(なるべく国産材)を利用する

2. 「内装」に木材(なるべく国産材)を利用する

3. 「家具」に木材(なるべく国産材)を利用する

これまでの建築の常識としては「住宅は木造」、「非住宅は非木造」とういうものでした。非住宅の建物は大規模なものが多いということもあり、構造の材料は鉄骨か鉄筋コンクリートが使われてきました。そんな中、脱炭素社会の実現に向けた国策として「木材利用促進法」が施行され、非住宅についても木造化を積極的に推奨するという流れになってきたのですね。

現在、国内の建物全体の木造率(延床面積ベース)は2020年度で43.5%、公共建築物に限れば13.9%というのが現状です。高層ビルや大規模アリーナのような建物は難しいにしても低層で中規模の建物であれば木造の技術も向上していますので十分に実現可能です。

公共建築においては低層の建物は木造設計を基本とするよう、政府からお達しが出ていますし、民間においても大手外食チェーン某社が農林水産省と木材利用促進協定を締結し、これからの新規店舗に国産材の活用を推進していくことを発表するなど、我々木材業界において非住宅が今後の有望市場であることは間違いありません。

当社としても、非住宅の新築物件には木造化を提案、リニューアル物件や高層ビル等の非木造物件には内装や家具の木質化を提案していくことで、今後、住宅着工数が減少していく中でも木材が安定的に利用される仕組みをつくることがミッションであると考えています。

これまで当社が得意としてきた「住宅構造」から「非住宅構造」に一段レベルアップすることで、これまでの知識やスキルをより一層アップグレードしていかなければなりません。

非住宅というのは一般住宅にはない特殊な構造を木材でどのように具現化するかとういことを様々な部材や工法を駆使して提案することになります。また木材の手配だけに留まらず、設計士や大工職人、工事業者の手配など、あらゆる機能をコーディネートしなければいけませんので仕事の難易度は高くなります。

「非住宅推進室」は専任担当1名からのスタートですが、今後は当社事業ポートフォリオの5本目の柱として育てていきたいと考えております。


■非住宅木造事例:ウッドリンク富山店 2020年10月竣工