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『非住宅推進室』

皆さん、こんにちは。

先日、道の駅福光内のレストランに「木と人」のテーブルが納材され、地方紙にも取り上げられました。記事によると地元食材を使ったメニューを提供するにあたり、内装においても富山県産の木材で空間を設えることで自然に近い優しい雰囲気をつくることが目的とのことでした。私たちとしてはこのような公共施設に自社商品が使われるということはとても励みになります。

当社では今年度より「非住宅推進室」という部署が新設されました。正確には「非住宅木造化・木質化推進室」なのですが、便宜上「木造化・木質化」を省略しております。

非住宅というのは、学校や公民館、飲食店やスーパー、診療所や介護施設、事務所や工場といった戸建て住宅以外の建物のことです。このような建物に私たちが提案したいことは具体的に以下の3つです。

1. 「構造」に木材(なるべく国産材)を利用する

2. 「内装」に木材(なるべく国産材)を利用する

3. 「家具」に木材(なるべく国産材)を利用する

これまでの建築の常識としては「住宅は木造」、「非住宅は非木造」とういうものでした。非住宅の建物は大規模なものが多いということもあり、構造の材料は鉄骨か鉄筋コンクリートが使われてきました。そんな中、脱炭素社会の実現に向けた国策として「木材利用促進法」が施行され、非住宅についても木造化を積極的に推奨するという流れになってきたのですね。

現在、国内の建物全体の木造率(延床面積ベース)は2020年度で43.5%、公共建築物に限れば13.9%というのが現状です。高層ビルや大規模アリーナのような建物は難しいにしても低層で中規模の建物であれば木造の技術も向上していますので十分に実現可能です。

公共建築においては低層の建物は木造設計を基本とするよう、政府からお達しが出ていますし、民間においても大手外食チェーン某社が農林水産省と木材利用促進協定を締結し、これからの新規店舗に国産材の活用を推進していくことを発表するなど、我々木材業界において非住宅が今後の有望市場であることは間違いありません。

当社としても、非住宅の新築物件には木造化を提案、リニューアル物件や高層ビル等の非木造物件には内装や家具の木質化を提案していくことで、今後、住宅着工数が減少していく中でも木材が安定的に利用される仕組みをつくることがミッションであると考えています。

これまで当社が得意としてきた「住宅構造」から「非住宅構造」に一段レベルアップすることで、これまでの知識やスキルをより一層アップグレードしていかなければなりません。

非住宅というのは一般住宅にはない特殊な構造を木材でどのように具現化するかとういことを様々な部材や工法を駆使して提案することになります。また木材の手配だけに留まらず、設計士や大工職人、工事業者の手配など、あらゆる機能をコーディネートしなければいけませんので仕事の難易度は高くなります。

「非住宅推進室」は専任担当1名からのスタートですが、今後は当社事業ポートフォリオの5本目の柱として育てていきたいと考えております。


■非住宅木造事例:ウッドリンク富山店 2020年10月竣工

『傍を楽に』

皆さん、こんにちは。

新年度に入り7名の新入社員が仲間入りし、総勢288名の新体制で1年のスタートを切りました。新入社員の皆さんには企業理念研修で「働く」ことの意味について伝えましたが、今回のブログではもう少し具体的な事例も交えて「働く」について深掘りしたいと思います。

先ず、「働く」という言葉の意味としては「傍」を「楽」にするという、欧米の労働観にはない日本独自の素晴らしい価値観があります。お金を稼ぐためといった一般的な目的だけではなく、自分以外の誰かの役に立つため、といった深い思想があります。

これは決して自分だけが犠牲になって人の役に立つといったネガティブなものではなく、自分が幸せになるために人の役に立つ、といった極めてポジティブな考え方です。

では、「傍」である自分以外の誰かとは、仕事上、誰にあたるのかというと、お客様は勿論、上司や部下、業者の方々という普段一緒に仕事をしている全ての方たちが対象になります。そして、役に立つということは、相手の利益になること、つまり、嬉しいことや喜ばれることを行うということになります。

ここまでが企業理念研修でお話ししたことです。おそらく新入社員の皆さんは仕事もまだ覚えていない状態で今すぐ傍を楽にできることとしては何があるのか?と考えられたのではないかと思います。

傍を楽にさせるということをもう少し具体的に言うと「相手の心」を楽にしてあげるという所がポイントになります。

例えば、上司というのは親心として、新入社員の皆さんには社会人として立派に成長してほしいという願いがあり、「理解できているかな?」「辛いことはないかな?」といったことを常に心配しています。つまり心が楽になっていないのです。

ここで言う、相手の心配を払拭してあげられるスキルが「報告・連絡・相談」(以下、「報連相」)です。これは新入社員からベテラン社員まで全ての仕事人に必要な基本スキルであり、仕事で起こる多くのミスやトラブルは「報連相」ができていないために発生します。ですから仕事のスキルの中で最も重要なスキルといっても過言ではありません。

こまめに「報連相」ができている方というのは廻りの方を安心させます。私もたくさんの部下の方たちがいますが、「報連相」をされればされるほど安心します。「報連相」が多すぎて鬱陶しくて嫌になるということはありません。

また、「報連相」が少ない方には、「大丈夫かな?」「問題は無いのかな?」と逆に心配になります。つまり、心が楽にならないのですね。

仕事の基本はコミュニケーションであり、コミュニケーションの本質は相手の心を楽にしてあげること、このようなことができる方、上手な方というのが、いわゆる仕事のできる方となるのですね。(報連相について詳しく述べた過去ブログ「仕事の基礎力」http://www.woodlink.co.jp/message/2022/09/ 興味のある方はご覧ください)

これからは多くの仕事がAIやロボットによって代替されていきます。コミュニケーションで相手の心を感じ取り、思いやりのある行動をとれるのは人間だけであり、これからの時代において、益々私たちに求められる必須スキルになります。

「傍を楽に(働く)」とは「相手の心を楽に」することであり、そのような行動は最終的には必ず自分に返ってきます。なので、あくまでも自分のため、というポジティブな考え方なのです。自分が幸せになりたいのであれば他人を幸せにすることである、これがよく言われる人生の逆説ですね。

自分の仕事は廻りの方たちの心を楽にできているだろうか?今一度、振り返っていただければと思います。

『デジタル社会への対応』

こんにちは、春ですね!季節が変わると、気分も新たになりますね。

春は自然が目覚める季節です。桜の花が咲き、新緑が生い茂り、鳥たちがさえずり始めます。そんな美しい季節を迎えるために、私たちも心機一転、新しいことに挑戦したくなります。例えば、新しい趣味を始めることや、自分自身を磨くための勉強を始めることも、春にはぴったりです。

また、春は出会いの季節でもあります。新しい人との出会いや、友人や家族との時間を大切にすることも、春の楽しみ方の一つです。この春を存分に楽しみましょう!

さて、少々長めのイントロになりましたが、実はこれ、今、話題のオープンAI 「チャットGPT」で作成した文章です。「春のブログ」と打ち込むだけでこのような作文をつくってくれました。(一部、割愛しました)私たちはこれまで調べたい事や気になる事をググって(グーグル検索)いましたが、こちらの方が答えにたどり着くスピードが断然早く、ものすごく便利です。海外の学校では子供の思考力に悪影響を及ぼすとして使用を禁止にする例が続出しているそうですね。

そのような目まぐるしく発展するデジタル社会に対応するべく、新年度よりDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するプロジェクトチームを発足します。これまでもDXの取り組みは各部署でそれぞれ行っていましたが、なかなかスピード感をもって取り組めずにいました。

よりDXをスピーディーに効率よく推進するために専任担当者を選抜し、トップ直轄のチームとして推進することにしました。メンバーは会社のこれからの10年を担う中堅リーダー5名です。

DXの目的は以前のブログでも触れましたが、企業理念である「社員満足度(ES)の向上」です。デジタル技術を活用することでトレース作業や確認作業といった、付加価値の低い仕事を効率化、自動化することで、付加価値の高い仕事のウエイトを大きくする、つまり、やり甲斐のある仕事に集中的に取り組めることがDXの最大のメリットです。

DX推進室のミッションとしてはDXだけにとどまらず、近いうちにやってくる「Web3.0」や「メタバース」といった仮想空間でのビジネスモデルの検討も行っていきます。

ここまではデジタル社会の潮流に乗っかった順張りの話しで、次に逆張りの話しをしたいと思います。

昨今、スマホやSNSが当たり前になり、デジタル情報に日々晒されている中で、人間の心に訴える情緒的価値を再認識できるプロダクトをリリースしようと計画しています。

それは、当社のスギ幅はぎフリー板「木と人」を原材料としたプロダクトです。以前、ものづくりワークショップで取り上げた際にお客様からの反響が大変良く、クラウドファンディングの「Makuake(マクアケ)」でも出品してみようという話しになりました。

プロダクトは「黒板(商品名:カクカク)」と「黒板消し(商品名:フクフク)」です。

コンセプトは「チョークで書いた手書きのメッセージと木のぬくもりが家族の心を癒す」です。

今回の企画は国産木材ブランド「木と人」のコンセプトである「すべての人へ、木とともに暮らす歓びと安らぎを」という想いを誰でも気軽に購入できる雑貨としてお届けしたいというところから始まりました。

6月頃の発売を予定していますので、家族の掲示板として、木のオブジェとして、スマホを始めデジタル機器に囲まれた生活の中に、少し自然の色合いを取り入れてみては如何でしょうか?

デジタル社会への対応として、順張りのDX推進と逆張りの黒板&黒板消しという、相反するプロジェクトが同時進行しているのが面白いなぁと感じた今日この頃でした。

デジタル化で効率化を重視しすぎてコミュニケーション不全にならないよう、しっかりとバランスを取っていきたいと思います。

『自分が本当にやりたいこと』

皆さん、こんにちは。

今年も毎年恒例のES調査(社員満足度調査)を実施しました。結果は総合評価の満足度割合が昨年よりも5ポイント増加し、80%を超えることができました。まだまだ課題は多くありますが、とりあえずホッとしております。

さて、今回は目標設定の考え方についてお話ししたいと思います。

当社では毎年、中堅社員を対象にした「フォロワー研修」と称する研修を行っています。受講者は3年後、5年後の自分が目指す将来像を描き、その目指す姿からバックキャスト思考で現在のあるべき目標を設定します。そして目標設定から6か月間、上司のサポートを受けながらPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回すといった内容の研修です。

この研修で一番重要なポイントは、自分の将来像を描き、どのような目標に取り組むかといった最初の段階です。このマイルストーンを間違うと将来のキャリアアップに遅れを来してしまいます。

目標設定の考え方としては、以下の3つの要素を押さえることが基本となります。

1. Will:自分がやりたいこと(意思)
2. Can:自分ができること(能力)
3. Must:自分がやるべきこと(役割)

この3つの要素が重なった目標が自分のあるべき姿であり、やりがい・働きがいをより感じられる仕事になるのです。

今回、受講者の一人が最初に設定した目標を途中で大きく方向転換されるといった事例がありました。なぜ目標を変えたのかというと、日々取り組んでいく中で、どうも自分の気持ちがしっくり来なかったというのです。

しっくり来なかった原因というのは、自分が決めた目標が「Will:自分がやりたいこと(意思)」になっていなかったのですね。

そこで本人は、自分はこの会社でいったい何がやりたいのかと、何度も自問自答し、上司にも相談しながら、ようやく自分のやりたいことに辿り着くことができたのです。そして新たな目標を見つけてからは水を得た魚のように、いきいきと前向きに仕事に取り組めるようになったのです。

アップルの創業者スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学でのスピーチでこのような言葉を残しています。

「もし今日が人生最後の日だとしたら、私は今日やろうとしたことを本当にやりたいだろうか、と30年間毎日、鏡に向かって語り続けた」

自分が本当にやりたいことが見つかれば、仕事は面白く、やりがいが感じられ、毎日が愉しく充実したものになります。そして目標に対して注がれるパワーが全く違ってきます。勿論、そのようなフルパワーで取り組むことができれば結果も全く違ったものになりますよね。

一回限りの人生、悔いのない人生を自分らしく生きるために、自分が本当にやりたいことに取り組んでほしいと思います。


        理想の目標

『未来へのバトン』

皆さん、新年おめでとうございます。

先日、富山大学の授業「富山ものづくり概論」の外部講師として木材加工業の現状と今後のビジョンについて講義をしてきました。これは富山のものづくりをテーマにした連続講義で医薬品や食料品、繊維や金属、機械や電子といった様々な分野のものづくりについて、企業のゲストスピーカーが業界の現状や自社の取り組み事例をお話しするという主旨のものです。

初めてのことで少々緊張しましたが学生さんの真剣に学ばれる姿勢に支えられ、こちらも熱く想いを語ることが出来ましたし、学生さんからのいくつかの質問の中からこちらも改めて気づくこともあり大変勉強になりました。

また、講義終了後、学生さんのレポートも拝見させていただきましたが、講義を受ける前の業界のイメージとしては「木を切る事は環境に良くないと思っていた」「木造住宅は良くないと思っていた」という意見が多くあったことにも驚きました。

今回の講義ではサステナブルな社会を実現するための木造住宅業界の課題として、「森林の循環」、「国産材自給率の回復」、「住宅の長寿命化・ゼロエネルギー化」、「林業従事者及び大工職人不足の解消」などをお話しし、その中での当社の取り組み事例を紹介しました。

そして最後には今後の目指すビジョンとして、日本の杉を海外へ輸出し、世界有数の森林資源大国として世界の木材需要に貢献したいという話しで締めくくりました。このような大きなレベルの話しは具体的に会社方針にもなっていませんし、まだ個人的な想いでもありますので社員の皆さんにもあまり語っておりません。
 
今回、業界全体のよりマクロな視点で考える機会となり、改めて川上から川下までの各企業の連携が大切であると感じました。そして、密かに抱いていた自身の「志」を若い人たちに伝えることで、より実現したいという想いに昇華した気がします。

多摩大学の田坂先生は「志」という言葉をこのように定義付けています。

「志とは、己一代では成し遂げられないほどの素晴らしい何かを次の世代に託する祈り」

私たちの時代にどれだけの木材輸出ができるかは分かりませんが、次の世代に未来へのバトンを託し、将来日本の杉が世界の国々に届く日がくることを思い描いています。

そのためには持続性のある森林循環を確立すること、そして世界で通用するだけの「付加価値」を創造することが私たち世代の役割であると考えています。

今年も従業員一同、パーパスの実現に向けて邁進して参ります。

本年も宜しくお願い申し上げます。

『人財基盤の強化』

皆さん、こんにちは。

年末に嬉しい報告がありました。ウッドリンクの素材ブランド・スギ幅はぎ材「木と人」が大手建材メーカーさんでの採用が決定し、今月より新商品としてカタログに掲載されました。自社製品が全国で広く使われると思うと励みになります。

株式会社ロイヤル 住宅収納シリーズ電子カタログ

さて、2022年も終わりを迎えようとしています。振り返れば1年でこれだけも変わったかというぐらい1年前に見ていた景色と現在見えている景色は大きく異なり、今は1年前には全く想像もしていなかったことに取り組んでいます。

それだけ予期せぬことが起こるのが人生や仕事。その時々の起こった現象に如何にベストな判断を行うかがその人の人生や会社の未来を決めるのだと思います。ちなみに私は「どちらの道が成長できるか」を判断基準にしています。

今年度は「人財基盤の強化」をスローガンに掲げ、「人財基盤強化室」というプロジェクトチームを立ち上げ、人財の「採用」、「育成」、「定着」の仕組みづくりに集中的に取り組みました。

「採用」においては、キャリア人財の採用を強化しました。他業界で活躍しているプロフェッショナル人財の方々に複数名入社いただくことができ、新たな知見やアイデアとの化学反応により、イノベーションの種が多く生まれ、組織の活性化につながりました。

「育成」においては、これまでの社内・社外研修をブラッシュアップしました。社員のキャリアアップ支援に向けた階層別研修や若手リーダーを対象にした合宿型のビジョンキャンプを開催しました。若手リーダーの成長を始め組織全体の底上げにつながったのではないかと感じています。

「定着」においては、年初に実施した社員アンケートから課題を抽出し、社員が働きやすい環境づくりに取り組みました。具体的には職場のインフラ整備や残業ルールの変更など人事制度や福利厚生の見直しを行いました。その中でも一番の成果としては2023年からの完全週休二日制(年間休日123日)への移行を決定しました。

来年は中期経営計画の初年度となり、これまで以上に大きく会社が変容する一年になります。その飛躍の年に向けて今年は盤石な人財基盤ができたのではないかと考えております。

これからの住宅業界は資材インフレ、住宅ローン金利の上昇、世帯数の減少、職人・ドライバーの不足等々が相まって厳しい環境であるのは間違いありませんが、私たちウッドリンクとしては目指すビジョンに向かって、仲間とともに一丸となって力強く突き進んでいく所存です。

今年もお客様、協力業者様、地域の皆様には大変お世話になり感謝いたします。そして、会社の仲間にも感謝いたします。

どうか、皆さんも素晴らしい年をお迎えください。

『新しい価値の創造』

皆さん、こんにちは。

最近、コロナ禍で長らく自粛されていたリアルイベントが徐々に再開し始めましたね。私もここに来て急に出張や会合などが多くなり、スケジュール管理に難儀しております。

さて、今回は久しぶりに出張に出させていただき、改めてメディアやオンラインでは得られない生の情報に触れる大切さを実感しました。

今回の出張では多くの方との出会いがあり、いくつもの刺激と発見があったのですが、一番の収穫は最近流行りのDX(デジタルトランスフォーメーション)について、我が社における具体的な展開イメージが見えたことです。

これまではDXを自社に置き換えたときに、とにかく時代の流れとしてDXをやらなければという感じで、会社としての全体戦略を描くことなく、場当たり的な取り組みとなっており、どちらかと言えばDXが目的になっていました。いわゆる手段の目的化というやつですね。ですから、恥ずかしい話ですが私自身が本気でDXをやらなければという想いになれていなかったのが正直なところです。

今回、DXの具体的な展開イメージが見えた一番のポイントは、何のためにDXをするのかという目的がはっきりと見えたということです。それは我が社の理念である「ES経営」を実現するための手段がDXである、と捉えられたことでストンと腹落ちしました。

デジタル技術を活用することでトレース作業や確認作業といった、付加価値の低い仕事を自動化、効率化することで、付加価値の高い仕事のウエイトを大きくする、つまり面白い仕事に集中して取り組めることがDXの最大のメリットであり、それこそが我々が目指す「ES経営」であると感じました。であれば本気で取り組まなければ、というふうにようやく自分のやる気スイッチが入ったのです。

従って、来年度からスタートする中期経営計画の重要取組テーマとして、全社的にDXの全体戦略を掲げ、ビジネスモデル、マーケティング、ヒューマンリソース、マネージメント、あらゆる面においてのデジタル化に取り組む予定です。

前回のブログでお話ししたビジョンキャンプでは10年後からバックキャストした3年後のビジョンを話し合いました。そして、今回お話ししたDXはそのビジョンを達成するための基本戦略となります。

私個人の一番のミッションは5年後、10年後にどのような新しい価値を創造できるか、つまりどんなイノベーションを起こせるかということであり、それが会社を永続していくための生命線になると考えています。従って、なるべく業界の中だけの認知では無く、異業種からも多角的に情報を集め、自己の認知を拡げる行動が重要であると考えています。

そして、一人の頭で考えるのではなく、将来の会社を支える若い社員の意見も取り入れ、沢山のアイデアを持ち寄り検討していくというプロセスが大切であると考えています。

リアルのイベントから長らく遠ざかっていたからこそ、今回の出張では改めてリアルの価値を感じることができました。しかし、第8波も始まっていますので、気を緩めずに行動していきたいと思います。

「常に新しい価値を創造する」
             企業理念第2章

『ビジョンキャンプ』

皆さん、こんにちは。

今年も残すところ2ヶ月になりました。毎年この時期は新年度の経営方針を考え始めるのですが、今年はボトムアップで若手リーダーに考えてもらおうと思い、先週末にインテック大山研修センターにて一泊二日の合宿を行いました。


    インテック大山研修センター

合宿名は「ビジョンキャンプ」としました。キャンプという言葉がついていますが実際に野外でキャンプをするわけではありません。あくまでもイメージです。

今回は若手リーダー30名が3チームに分かれて、2日間かけて来年度から始まる中期経営計画のビジョンを話し合うという内容です。

ビジョンキャンプの目的及び狙いについては3つあります。1つは経営的視点・思考を学ぶ、2つ目に経営課題の理解と自分事化、3つ目に部門を越えた人事交流になります。

事前課題としてメンバー全員に社会・業界のトレンドをここ当面の予測と3~5年後の予測のレポートを作成してもらいました。

社会・業界トレンドについては需要構造、顧客ニーズ、競合・ライバル、社会課題という切り口でそれぞれ捉えていきます。そして、我が社の既存事業における強みを洗い出します。

まとめとしては、自社を取り巻く環境変化×我が社の強み=事業ビジョン・戦略の方向性という方程式でアウトプットを出します。

アウトプットとしては「既存事業の強化策」と「新規事業の開発」という2つの方向性が出ました。

結果的に既存事業の強化策は、概ね私の描いていたイメージ通りの着地となりましたが、新規事業は全く構想に無い面白いアイデアが出ました。

そして、事業ビジョン・戦略を実行するためには、どのような人財を採用し、どのような仕組で育成し、定着のためにどのような人事制度をつくらなければいけないかという、いわゆる人事ビジョンに落とし込みました。それは我々が目指す「ES経営」の具体策となります。

この2日間で若手リーダーの皆さんが「事業ビジョン」と「ES経営」の関係を理解し、さらに当社の経営の根幹である「ES経営」が何故大切なのかということに気づけたのではないかと思います。

30名の若手リーダーが部門を越えて泊りがけで議論を重ね、懇親を深められたことは、とても価値のある体験となり、貴重な思い出になったのではないでしょうか。今後は「ビジョンキャンプ」が会社の恒例行事になりそうです。

そして、来年度からスタートする中期経営計画を今回の若手リーダー一人ひとりが主体性を発揮して実践されることを願っております。

『仕事の基礎力』

皆さん、こんにちは。

近頃だんだんと秋の気配を感じるようになってきましたね。先日、友人にとれたての新米を頂戴し、改めてお米の美味しさに感動している次第です。調子に乗って食べ過ぎない様に気をつけたいと思います。

さて、前回のブログ(人財育成論)ではリーダーは常にチームの現状把握を正しく行うためにメンバーからの「報告・連絡・相談」、いわゆる報連相(ほうれんそう)をこまめに求めることが大切であるというお話しをしました。

今回はその「報連相(ほうれんそう)」について深掘りしたいと思います。

先ずは社員にとっての「報連相」は仕事において「責務」であるという大前提があります。業務上、起こった事象や結果、それに至ったプロセスについて報告を行うということは給料をもらう代わりの領収書を会社に提出するのと同じ意味を持ちます。つまり労使の関係上、必ず行うべきことなのです。

従って、報告を怠るということは給料をもらう権利がなくなってしまうとも捉えることができます。それほど社会人としては極めて当たり前な事なのですね。

では、「報連相」のもつ意味を紐解いてみたいと思います。

先ずは「報告」ですが、手段として代表的なのは日報です。日報の中で会社側が知りたい情報はどちらかと言えば良い話しではなく悪い話しというところがポイントです。

例えば、仕事で失敗してお客様にご迷惑をお掛けしたこと、製品を無駄にしたこと、想定以上に時間が掛かったことなど、業務上、上手くいかなかったことを報告してほしいのです。

どうしてかと言えば、失敗したというのは本人の能力もさることながら、会社の仕組みに問題がある場合が多いからです。その仕組みの問題点がわかれば会社として対策を講じることができ、同じ失敗を無くすことができるのです。

次に「連絡」ですが、手段としてはメールやチャットがあります。これは誰がその情報を知っておくべきかということを考え、適切な連絡先を判断するというところがポイントです。

適切な連絡先の判断がつかない場合はとりあえず部門長をメールであればCC(カーボン・コピー)、チャットであればグループへ招待しておけば間違いありません。部門長までその情報が届けば、部門長が更にその情報を誰に連絡するべきかを判断してくれるからです。

次に「相談」ですが、これも業務上の相談であれば日報を活用することをお勧めしますし、人間関係やプライベートに関わることであれば面談を申し入れするのが一般的です。

仕事の経験年数が少ない人ほど困ったときや迷ったときに考えられる選択肢が少ないのは当然ですので、経験年数の多い上司・リーダーに相談することで自分の発想の範囲を超えた選択肢を得ることができるのです。

仕事ができる人ほど良く質問や相談をします。私が若い頃「聞き魔になれ」ということを上司からよく言われていました。とにかく分からないことを相手が嫌がるくらいに聞きまくるということです。それがテキストやマニュアルでは学べない先輩方の生きたノウハウを多く知ることができ、結果的に良い成果をあげることができるのですね。

お分かりの通り、報告・連絡・相談というのは、どれをとっても本人が自分で十分に考えて行動するという主体性がないと成り立ちません。また、ただ起こった事象だけを伝えるのではなく自分はどう思ったのか、どうしたいのかという自らの考えを伝えるということが重要です。

「報連相」の目的の本質というのは自分と会社との仕事における価値観・考え方の擦り合わせを行うことなのです。自分の思いや考えを伝え、それに対してフィードバックをもらうことを繰り返すことで正しい価値観・考え方が身についてくるのですね。そうなれば、いちいち上司にお伺いを立てなくても自分で様々な意思決定ができるようになります。

報連相と聞くと簡単なことと思うかもしれませんが、本質的な部分をしっかりと押さえて出来ている方は以外と少ないのが現状です。

「報連相」は仕事の基礎力になる大切な要素です。仕事もスポーツも同じですが難易度が上がれば上がるほど基礎力が重要になってきますよね。基礎力が低い方はある一定のレベルで伸びなくなりますし、歳をとってから我流で築いた悪い癖を直すのは大変です。(余談ですが私も20年我流でやってきたゴルフの癖が直らず苦労しています)

ですから、なるべく若いうちに仕事の基礎力である「報連相」をしっかりと体得し、正しい仕事ができるビジネスパーソンを目指してほしいと思います。基礎力のある方というのは仕事に安定感が生まれ、致命的なミスをすることはほとんどありません。

今回は「報連相」の意味や基本的な考え方をお話ししましたがもう少し詳細なハウツーについてはネット検索でも沢山の情報が出ておりますのでさらに興味のある方は調べてみて下さい。

今一度、自分は仕事の基礎力は身についているだろうか?自己チェックをしてみてください。

『本音のコミュニケーション』

皆さん、こんにちは。

つい先日、私が担当する係長以上の社員43名の「1on1ミーティング」が一巡しました。一人当たり1時間程度をかけて個人計画書の進捗確認を行い、今後の方向性や対策についてディスカッションを行うという面談です。

係長以上のリーダー職ですから、ほとんどの方が「人財育成」の悩みが中心となります。人財育成が上手くいかない原因は人それぞれですがまとめると概ね3つに集約されます。

1.人財育成の時間をつくれていない
2.人財育成のやり方が分からない(我流のため自信がない)
3.相手の仕事の「正しい現状把握」ができていない

1は自分の仕事が忙しく人財育成が後回しになっているパターンです。意識として人財育成の優先順位が低いということなので、リーダーとしての役割をしっかりと自覚するということに尽きます。

2は試行錯誤やってはいるものの自信が無く、場当たり的になっており、日々のマネジメント業務としてルーティン化されていないパターンです。人財育成の正しいやり方、つまりマネジメントの基礎をしっかりと学ぶことに尽きます。

1と2は意識を上げて勉強するという単純で当たり前のことなので難しくないのですが、「3.相手の仕事の正しい現状把握ができていない」についてはかなり難易度が上がります。

仕事というのは基本的にコミュニケーションで成り立っていますので、「相手にとっての真実」をお互いに理解していないと、必ずコミュニケーションギャップが生じます。

そういう意味では相手の「心の中」も含めた正しい現状把握を行うことが極めて重要なのです。

では正しく現状把握するためにはどうすればよいのか?

対策は概ね3つです。

1.こまめな報告・連絡・相談によって状況を詳細に把握する
2.相手の嫌な話しや恥ずかしい話も含め把握する
3.相手はどうしたいのか率直な想いを把握する

私たち人間は自分を良く見せたいというエゴがありますので、自分にとっての真実を素直に話せないという心境にしばしば陥ります。

例えば、お客様との人間関係が良くないこと、能力的に上手くできず苦手なこと、他者に対するネガティブな感情等をありのまま話すことができずオブラートに包んでしまうということですね。また、自分はこうした方が良いと思っていたとしても自信がなくて言えないといったことです。

これを打破する方法は先ずは私たち上司側がどんな話しであろうが「共感の心」で相手の話しを傾聴すること、つまり「心理的安全性」を確保してあげることです。

何を言っても嫌われない、叱られない、今後の評価に影響しないという安心感があれば部下も思い切って話すことができます。

しっかりと真実を捉えた正しい現状把握ができれば本質を突いた対策になりますので、改善スピードも上がり結果的に良い成果を生むことができます。

お客様のため、仲間のため、会社全体が良くなるために、「本音のコミュニケーション」が当たり前になるような企業文化を創っていきたいと思います。