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『家づくりの価値とは何か』

皆さん、こんにちは。

今日で9月も終わりですが暑い日が続きますね。
世界的にもグリーンランドの氷河が一日で125億トンも解けたとか、地球温暖化の影響がとても心配です。

さて、皆さん「ファクトリエ」というアパレルブランドをご存じでしょうか?

最近注目のファッションベンチャー企業でメディア等でもよく取り上げられています。

私たちの着ている服のおよそ97%が海外製ですが、「ファクトリエ」は日本の職人さんの技術を守るため、メイドインジャパンで世界一流ブランドをつくるというビジョンを掲げ展開されています。

メイドインジャパンと聞くと少々お高いイメージがあると思いますが、「ファクトリエ」は工場と消費者を直接つなぐことで、商社や問屋といった中間業者のマージンを省くこという、これまでの業界にはない新しいビジネスモデルで「良いものを適正価格でお届けする」ことを実現しています。

興味のある方は「ファクトリエ」ホームページをご覧ください。
https://factelier.com/

今回、北陸型木の住まい研究会「住宅ビジネス研究サークル」のメンバーで、「ファクトリエ」(企業名:ライフスタイルアクセント株式会社)の山田社長のご講演と店舗視察を行う機会がありました。

日本の物づくりの価値を伝え、ブランド展開を図るビジネススタイルは売るものは違いますが、家づくりを通じて地域でブランドを創るという我々の目指す注文住宅ビジネスと共通します。

今回の研修を通じて、大きく2つのことを学ぶことができました。

1つはビジョンの大切さです。

山田社長の起業の発端はパリに留学中、高級ブランドのグッチでアルバイトをしていたとき、そこで働く社員から言われた一言がきっかけになったそうです。

「日本には本物のブランドがない」

パリ発祥の一流ブランドは、工房から生まれた物づくりブランドで職人さんを大切にされ、創業からの物づくりの技術をずっと継承しているのだそうです。

「日本には本物のブランドがない」という一言から、メイドインジャパンの世界一流ブランドをつくるというビジョンが生まれたのです。

そのビジョンを経営の軸として、ビジョンに共鳴する情熱を持った社員が集まり、一枚岩の強い組織集団をつくられているのです。

そして2つ目の学びは、ブランディングです。

ブランディングというのは簡単に言えば、自社のファンをつくるということ、「ファクトリエ」であればメイドインジャパンの質の高い服を適正な価格で買いたいというニーズのお客様をより多くつくる活動のことですね。

そのブランドイメージをマーケットで確立するのがとても難しいのですが、今回の山田社長のお話でブランディングとは、「何を伝えるか」と「どのように伝えるか」の2点であるということでした。

「何を伝えるか」とは、自社の存在価値は何か、つまりビジョンに基づく物づくりへの拘り、そしてそんな想いで造られた商品の価値は何か、つまり機能性やデザイン性といったユーザーメリットを明確にすることです。

また、「どのように伝えるか」は、その価値を如何に分かりやすい言葉や物語として伝えるか、また、リアル(店舗)とデジタル(Web)の両面から、しっかりとお客様へ発信する、ということです。

私たちのビジネスでは「差別化」という言葉が好まれてよく使われていますが、単純に他社と違うというだけではお客様には選んでいただけません。

やはり、ビジョンに基づいた物づくりの拘り、そしてお客様にとっての価値(メリット)を如何に分かりやすい言葉や行動で伝え、お客様に共感して頂けるかということをしっかりと検証しなければいけません。

今回の研修で工務店の家づくりの価値は何か、ということを改めて考える機会となりました。

昨今、大手メーカーによるローコスト分譲住宅が多くなるマーケットの中で、如何に当社のパートナーである地域工務店の家づくりの価値をどのように消費者へ伝えるか、今後の大きな課題かと思います。

改めて考えると工務店の家づくりには我々自身が気づいていない価値が多く存在します。

木や土や石といった本物の素材を使い、大工さんをはじめ様々な職人さんの技術を結集してつくられる住宅。

それは大量生産型の大手メーカーには無い、家づくりの価値だと思います。

しかし、そのようなことも我々にとっては当たり前という認識でいますので、特にお客様へアピールすることをしていません。

その結果、お客様から見たときにどの住宅会社も同じに見えてしまい、何が違うのか分からない、であれば安いほうが良い、となるのだと思います。

北陸のお客様に本当に良い家づくりを選んでいただくために、私たちウッドリンクとしても「北陸型木の住まい研究会」という地域グループを通じて、工務店様と共に、我々の家づくりの価値を発信していきたいと思います。

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『熱意の源泉は何か』

皆さん、こんにちは。

令和に入り、早くも新潟・山形で震度6強の大地震が発生しました。
昨年の大阪北部地震から、わずか1年で大地震(震度6以上)が3回も発生するというのは明らかに異常事態ですよね。

さて、先日、新聞記事で興味深い情報を目にしました。
それは米国の人材コンサルティング会社が世界各国の社員の士気を比較した調査を行ったというものです。

日本は「熱意あふれる社員」の割合がわずか6%、米国の32%を大きく下回り、調査した139ヵ国のうち132位と最下位レベルという結果。

さらに日本は「周囲に不満をまき散らしている社員」の割合が24%、「やる気のない社員」も70%を超えたという結果とのことです。

また、国際的に見て日本は生産性が低いと評価されていますが、日本生産性本部の2017年調査データによれば、一人当たりの労働生産性が日本が837万円に対し、米国は1,266万円で、日本人の生産性は米国人に比べ、2/3程度ということなのです。

この2つのデータから解ることは、モチベーションの大小で、仕事の成果が変わるという事実です。

決められたやり方を真面目に淡々と、長時間かけて働くスタイルと、決められたやり方に固執せず、より良い方法を自ら考え、工夫し、
短時間で最大の成果をあげようとするスタイル、の違いでしょうか。

熱意(モチベーション)と成果(品質・生産性)の相関関係は職業人であれば、誰もが体験的に理解できることかと思います。

体調や気持ちが優れない日、つまりモチベーションが低い日は、抜け、漏れといった、ケアレスミスを多く出してしまいますよね。
それが一番分かりやすい相関関係の事例だと思います。

では、どうしたら「熱意」をもって仕事ができるのか?

私の体験からお話しをすれば、熱意の源泉は、「ビジョン(ありたい姿)を明確にし、その実現を心から信じる」ことだと思います。

この想いを、「志」・「使命感」レベルに高めることができれば、毎日、確実に熱意あふれる仕事ができます。

スポーツに例えれば一番分かりやすいのですが、「世界で活躍するチームになって世界大会で優勝をする」このビジョンの実現を心から信じている人、というイメージです。

私のビジョンは「働き甲斐NO,1の誇れるブランド企業」を目指すこと、社員の皆さんが自分達の仕事、自分達の会社に誇りを持てる、
家族や友人に自慢ができる、そんなブランド企業に成長することです。

そのためには、業界NO,1の製品、サービスを提供できる企業になること、そして、ウッドリンクの提供する製品・サービスによって、様々な社会課題を解決していくことで世の中に貢献していくこと。

そのようなビジョンを見つめることで、日々、自己の能力を高めるべく、様々な努力ができ、またどんな難題にも恐れずに挑戦することができるのだと思います。

これが私が考える「熱意の源泉」です。

最後に話を戻しますが、「熱意あふれる仕事」=「最大の成果」という相関関係に加え、もう一つ大きな副次的効果があります。

それは「人生が豊かになる」ということです。

仕事で良い成果をあげるということは、お客様や業者様、職場の仲間、あらゆるステークホルダーに喜ばれ、皆がハッピーになれます。

それが自分のライフワークになれば最高の人生ではないでしょうか。

「生活のため」という仕事観から、「人生を豊かにするため」という仕事観へ。

是非、一人でも多くの社員の皆さんに、そのような仕事観を持っていただけることを願っています。