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『非住宅木造は5方良し!』

皆さん、こんにちは。

ジメジメした梅雨が長らく続いていますね。我が家の家庭菜園も今年は不作に終わってしまい、子供たちも残念がっています。

さて、現在当社では本社の敷地内に新事務所棟を建設中です。

現在の本社事務所が手狭となり、二階フロアで業務をしていた営業部・富山店のメンバーが引っ越しをすることになりました。

これまで、多店舗展開の中でいくつか事務所建築をしてきましたが、木造で建てるのは初めてです。本業である住宅の構造とは違い、軸組みの難易度が数段高いため、何かと苦戦しています。

今回、新事務所棟で採用したのは「門型ラーメン構造」と「プレウォール工法」のハイブリッド構造になります。

「門型ラーメン構造」とは、在来工法が地震力を壁で支えるのに対し、柱と梁が一体となったコの字型の一体フレームで支える構造で、基本的には鉄骨造と同じメカニズムになります。

「プレウォール工法」は、通常のプレウォールとは違い、かなり特殊な構成にしており、構造用合板の9㎜を24㎜へ変更し、壁倍率は6倍相当まで引き上げています。

近々、構造見学会を行いますので、興味のある方は是非ご覧になって下さい。

今回、新事務所棟を木造にした理由は大きく2つあります。

一つは、社員の働く空間をより良い環境にすること、二つ目は今後、木造住宅が人口減少と共に縮小トレンドにある中で、「非住宅木造」という新しい市場を切り拓くためのモデルにするためです。

「非住宅」とは、事務所や店舗、児童施設や老健施設等のことで、中規模な建物であれば鉄筋コンクリート造や鉄骨造ではなく、木造のほうが経済的に建てられますし、何よりも木材特有の調湿効果や断熱効果、癒しの効果といった、人に対する様々な効能が期待できるのです。

現在、3階建て以下の非住宅建築物は年間約2,300万㎡(100㎡の住宅23万戸相当)建築されており、その内、木造は15%程度に留まっています。

また、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2010年に施工され、政府より公共建築物は木造化が可能なものは木造で建てるべき、というお達しが出るようになり、国をあげて木造化を推進しているのが現状です。

我々、木材・建築事業者としては、今後の住宅着工の減少をカバーできる、有望なマーケットなのです。

さらに、木が成長する過程で蓄えたCO2は建築物として、また50年、60年と使われれば、解体して燃やすまでの間はずっとCO2は貯蔵、固定化されることになります。

都市を木造化・木質化するということは、都市が第二の森になるということなのです。

非住宅の木造化は建築主にとって経済的に良く、そこを利用する人に良く、地球環境(温暖化対策)に良く、工務店さんも当社も良い、「5方良し」の素晴らしい取り組みです。

顧客である工務店さんが、今後、非住宅の木造化を提案しやすい環境をつくり、サポートすることが我々の役割でありミッションだと考えています。

これからも木の可能性を追求し、新たな技術開発、商品開発を行い、非住宅の木造化、木質化を推進していきたいと思います。

「常に新しい価値を創造する」
            企業理念・第2章

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