『一つ一つ丁寧に』

皆さんこんにちは。
住宅資材事業部 生産課の桶谷です。

新型コロナウィルスの影響がすごいですね。
手洗いやうがいはもちろん、免疫力を上げることも重要だそうです。

私はウッドリンクに入社し丸4年になります。
最初は柱チーム、プレウォールチームを経験し 現在は横架材チームの中でも手加工工程を担当させていただいてます。
プレカット工場と言えば機械でザックザク!というイメージを持たれているとは思いますが、どうしても機械では加工できない部分や化粧材(見える木材) の仕上げは手加工をします。
加工指示書のもと、木材を加工するために差し金や墨壺を使って目印をつける『墨付け』をし、ノコギリ かんな ノミで仕上げていく『刻み』などなど。
墨の太さのどちら側にノミをあてるのか、キワをどの位残すのかなど、細かいところまで気を使った作業をしていくためには、切れ味の良い刃物が必要になってきます。
その刃物を使うためには絶対不可欠な「研ぎもの」について簡単に紹介したいと思います。(ちょっとマニアックですが)
手に馴染んだモノにこだわっているので、刃物類や砥石は大工の専門学校、大工時代からずっと使っています。
水桶もです(笑)

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左から、仕上げ砥石、中砥石、荒砥石です。
本来ならば金板という鉄の板でカンナやノミの裏を鏡のようになるまで磨くのですが、時間がかかるので私はしていません(笑)
まずは、凹んで湾曲してしまった砥石を、平らにしてから研ぐ作業に移ります。
中砥石で荒研ぎをしていきます。中砥石は粒子が荒いため、ガリガリ刃を研ぐことができ、刃先の小さな欠けを落としたり、歪んだ刃の形を調整していきます。
続いて仕上げ砥石をかけます。 仕上げの方が粒子が細かいため、『刃反り』と呼ばれるバリが取れて切れる刃物になります。 仕上げではあまり力をかけずに、磨くといった感じで、黒い泥のような研ぎ汁がたくさん出てくれば、しっかり研げているという証拠です。

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もっと言いますと刃先と砥石の擦れ合う微妙な感覚を指差で感じとり、砥石についた水のはけ具合も見ながら研いでいきます。
刃先の傷が見えないくらいになったら、砥石を替えてさらに磨き、最後に試し削りをして切れ味の確認です。
まだまだこと細かく説明したいことがあるのですがこの辺で……

『穴掘り3年、鋸5年、墨付け8年、研ぎ一生』と大工さんのなかで言われているほど研ぎものはすごく難しいです。
上手になるにはできるだけ刃物に多く触れることと、日々の道具の手入れが重要になってくると思います。
そうやって自分で調整したノミやカンナなどで化粧材がキレイに仕上がったときはものすごい達成感を得られ、仕事の成果が形として残るため、依頼主様をはじめとして、たくさんの人に見てもらえるところも喜びにつながります。
まだまだ覚えないといけない仕事が多くありますが、よりよい製品を提供できるよう日々精進していきたいと思います。