2012年 皆様方にはすこやかなる新年をお迎えのことと存じます。
昨年は、私たち日本人の意識や価値観に、大きな変化をもたらすような出来事がありました。
そして、人としての生き方、家族のあり方、地域のつながりを見直す気運が高まったように思います。
「住まい」はかけがえのない家族のよりどころ。
私たちウッドリンクは、木質建材メーカーとして、常に一歩先の暮らしを形にする
技術と研究に取り組み、幸せの日々がいつまでも続くよう、安全で快適な住まいづくりを
支えてまいります。
さて、ホームページのリニューアルを機にブログを始めました。
社員より時節の話題、会社での出来事、私生活でのエピソードなど紹介しております。
私からは弊社の事業の原点 木について 今後紹介して参ります。
今回は先日、学習机の天板の作成工程を見せていただく機会がありましたのでそのことからご紹介します。
最初に訪ねたのは集成材工場
工場に入るとまず目についたのは、私達が生産した杉乾燥材30㎜×40㎜ 3m の富山県産材です。
作業手順は
・材料の欠点除去
・フィンガージョイント
・幅接ぎプレス圧着
・仕上げモルダー 長さカット
・面取り サンダー
製材事業部で生産された富山県産の材料
木工芸の里 井波町ならではの何十年も使いこなした機械で
社長 奥さん お母さんの三人ですが、どんな難しい仕事でもこなす職人さんの工場そのものでした。
わずか20㎝の短いものもフィンガーされており、材料を大切に
使われているのをありがたく感じました。
独自の形状
次に塗装工場へ移動
工場に入ってもシンナーの臭いがほとんどしないのには驚きました。
塗装工程は
・塗装前の生地研磨
・下塗3回
・ザラ研磨
・中塗3回
・フラット研磨
・上塗2回
工場の様子
これまで木を扱う仕事をしてきた者として、私なりに木を見る目、木の生かし方についての価値観を持っていました。
木の良し悪しは欠点の少ない物が良いとしてきました。
又、その木の持つ特長を生かす使い方をするべしと…
学習机の天板、テーブル、カンター 等に杉を使う場合
杉の持ち味である軟らかさが弱点となりますし、欠点としての
色の黒っぽいもの
目合(年輪)が荒いもの
板目、柾目、木の表裏、白太赤身などが揃っていなく、バラバラに接合されている。
それらのいずれもが、なんの違和感もなく逆に色の変化や杢目のバラつきがかえって面白く、飽きがこない、すばらしい出来栄えであったのにはビックリしました。
乾燥養生工程
従来のウレタンやWPC塗装と違って硬度も申し分なく、手触りも滑らかで優しく、それなりに温もりが感じられる。
これまでのマテリアルとしての木の思い込みを払拭する出会いでした。
木の短所が技術によって機能性と自然素材としての面白みが高まることを学びました。
社長さんの入念な仕事ぶりには、使う人へのきめ細やかな思いやりと
プロとしての拘りが伝わってきました。
この天板は入善町の小、中学校全てに入替えされます。
富山の杉がこんなにりっぱな学習天板になり、さぞかし杉たちも生き場を与えられ喜んでいることでしょう。
富山で育った杉が地元で加工され、地元の子供達の学びの場で役割を担っていく。
杉のように優しく、真っすぐ元気に成長されることを願うばかりです。
学習机の天板