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『あなたの判断は、正しいですか?』

富山店設計課 高柳です。

降雪が無いとはいえ、寒い日が続きますね。インフルエンザも流行しているようですが、
皆様どうかご自愛ください。

みなさん、年末年始はいかがお過ごしでしたか。
長い休暇の中で旅行や家族、友人と過ごすなど各々リフレッシュされたのではないでしょうか。

私の過ごし方は以下の通り。

毎日、子供たちと全力で遊ぶ(遊ばれているような気もしますが…)
筋トレ&ランニング
読書

普段と変わらない平穏な休暇でした。

今回は、休暇中に出会ってよかった本を紹介します。

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題名:ファクトフルネス
著者:ハンス・ロスリング
ジャンル:世界の経済、教育、環境

全世界で100万部以上売れており、ビルゲイツが絶賛している本と言う事で、ミーハーなので手に取りました(笑)
ただ、400ページ超の厚い本で、読むのを躊躇するレベルです。

背表紙に「ハンス・ロスリング氏は2017年に他界したが、人生最後の年に本書の執筆にすべて捧げた本」と記載されており、嘘・偽りはきっと無いと信じ、購入決意しました。

みなさん…
ファクトフルネス?何それ。意識高い系が買う本でしょ?
私には関係ないと思っていませんか?

そんなことありませんよ。
本について簡単に解説をします。

ファクトフルネスとは?
データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣。
賢い人ほどとらわれる10の思い込みから解放されれば、癒され、世界を正しく見るスキルが身につく。
世界を正しく見る、誰もが身につけておくべき習慣でありスキル。

10の思い込みは、以下の通り
① 分断本能「世界は分断されている」という思い込み
② ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」
③ 直線本能「世界の人口はひたすら増え続けている」
④ 恐怖本能「危険ではない事を恐ろしいと考えてしまう」
⑤ 過大視本能「目の前の数字がいちばん重要だ」
⑥ パターン化本能「一つの例がすべてに当てはまる」
⑦ 宿命本能「すべては“あらかじめ”決まっている」
⑧ 単純化本能「世界は一つの切り口で理解できる」
⑨ 犯人捜し本能「誰かを責めれば物事は解決する」
⑩ 焦り本能「今やらないと後で大変なことになる」
(※語尾の~という思い込みは省略します。)

この中で分かり易い「⑤過大視本能」を紹介します。

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過大視本能はQCで言う、データから原因追及する部分と似ており、数字を様々な角度から見ることで問題に対して正確に判断することができます。

あくまでも一例ですが、長くなるので省略させて頂きます。

この本を要約すると、10の本能を理解する事で知識ではなく思考の癖(人間の本能)に気付きなさいということです。

現在、世の中は大きく変化している時代です。
正しいものの見方が出来なくなったら、知らないうちに違った事実を基に行動・判断し、相手を傷つけてしまうかも知れません。
これはビジネスにも言えることで、本当にお客さんが欲しいもの、必要としているものが何かが見えなくなります。
周囲の意見やテレビの情報に流されず、ファクト(事実)を掴む思考を得るためにおすすめしたい一冊です。

最後に…
ちょっと、自分たちの仕事に置き換えてみます。
私たちの設計の仕事は、お客様の理想とする家を形にし、かつ、安心安全な家を提供します。
そのためには図面から正しく情報を読み取る力が必要です。

しかし、形を作っていく過程でこのような場面があります。

設計:この寸法って、正しいですか?何かいつもと違う感じがするのですが…
営業:お客さんには確認してあるから、大丈夫。
設計:わかりました。
上司:これ本当に大丈夫なの?具体的に説明してもらえる?
設計:営業が大丈夫と言っていたので…詳しくは…

極端な例かもしれませんが、きっと無意識にこんなやり取りしていませんか。
・具体的に何を見て違うと感じたのか。
・いつもとは何か。
・この数字は、何を基に出てきたのか。
・本当に納まるのか。
・その情報は、最新のものか。

いろいろな疑問が浮かぶはずです。
一つの問題を様々な角度から考え、根拠を基に納得し進めていく必要があります。
そして、この積み重ねがお客様に満足して頂ける家を提供することができ、深く理解することで仕事の楽しさも感じてきます。

今、「問題無い」と判断した事は、正しいですか。
踏みとどまって、考えてみましょう。

補足
本を買うのはちょっと…でも、詳しく知りたい方は、
YouTubeで「ファクトフルネス」と検索してください。
某有名人が、分かり易く解説してくれていますよ。是非!